全日本カート選手権OK部門第4戦決勝は定刻通り15時50分にフォーメーションラップが開始された。14渡邉がエンジン交換により最後尾につき、1回のスタートディレイドを挟んだ後、長いホームストレート上のレッドシグナルが消灯、25周のレースがスタートした。
ホールショットは23環、そこに22井本、85佐藤、5高橋が続く。85佐藤は3ヘアで井本をかわしポジションを一つ取り返す。3周目、2ヘアでトップの23環を85佐藤が、3位の22井本を5高橋と3名取がかわしポジションを上げると、次の周の1コーナーで3名取が5高橋のインを刺し3番手に浮上。85佐藤は一つ抜け出した形となりこれまでのように単独となると思われた。しかし5周目の2ヘアで3名取が23環をかわすと85佐藤をロックオン、翌周の2ヘアで85佐藤の前に立ちトップに浮上した。だが85佐藤はすかさず3ヘアで取り返し、さらに3名取は最終コーナーで巻き返す怒涛のバトルを展開。23環もすかさず1コーナーで85佐藤からポジションを奪うが、85佐藤は2ヘアでもう一度2番手を取り返す。このトップ3は先頭集団を形成していたのだが、このバトルにより9佐々木を先頭とする第二集団が一気に接近した。8周目の2ヘアで9佐々木は23環をかわし3番手に浮上すると隊列は3名取、85佐藤、9佐々木、23環、22井本、5高橋、8三宅となる。10周目の2ヘアで22井本が23環のインに入り9佐々木の背中をとらえた。11周目、85佐藤が2ヘアで3名取を刺すが3名取は3ヘアで取り返す。翌周9佐々木を抜かそうと22井本は1コーナーで入ろうとするが、22井本が9佐々木のリアタイヤに乗り上げてしまい2台共にコースアウト、リタイヤに終わってしまった。15周目、2位を走行していた85佐藤が3名取の背中を完全にとらえた。2ヘアでトップを取り返すべくインを刺した85佐藤だが3ヘアで名取が再び85佐藤のインに飛び込む。85佐藤はすかさずクロスラインを取り、出遅れた3名取を8三宅とここまで上がってきた30小川がパスする。2位に浮上した8三宅はそのままの勢いで16周目の1コーナーでトップに浮上した。85佐藤は観察するようにそのまま1周8三宅の背中にピタリとつけ、17周目の3ヘアでまたしてもトップを取り返す。しかし85佐藤はギア比セットの関係か外周セクションが若干遅く、ストレートが伸びる8三宅がまたしても1コーナーでトップに立つ。8三宅は2ヘアに向けてイン側のラインを走行し85佐藤を抑えようとするが、これにより立ち上がりが悪くなった8三宅をS字の進入で85佐藤が交わすと、そこに3名取もついていきトップ3は85佐藤、3名取、8三宅となる。3名取は1コーナーで、さらに8三宅が2ヘアで85佐藤をかわした。そこに23環と20澤田が追いつきトップ5が形成されるが、23環はわずかに3位に届かない様子。20周目、2ヘアで8三宅が3名取をかわすとすかさず3ヘアで85佐藤も3名取をパス。しかし、やはり85佐藤はストレートが伸びないのか1コーナーで3名取に刺し返される。隊列は8三宅、3名取、85佐藤、23環、20澤田、離れて17野中、18太田、30小川となる。23周目、3名取がトップに舞い戻ろうと1コーナーで8三宅に迫るがこれは失敗。体制を立て直し翌周の1コーナーで再び8三宅のインを刺すとそこに85佐藤がついてきて8三宅は3位にドロップ。8三宅は順位を死守しようとするが23環が3ヘアで3位にポジションアップ。そこでファイナルラップとなった。85佐藤が本庄での連続優勝記録を伸ばそうと3名取を1コーナーでパスし。2ヘアでは8三宅が23環をかわし3位に戻る。3名取は3ヘアで決死の飛び込みを行いトップを奪い返すと85佐藤は若干失速。これを見逃さず8三宅が最終コーナーからスリップに入りホームストレートで並んだところでチェッカーフラッグが振られた。トップは3名取、2位は85佐藤、8三宅は0.067秒差での3位となった。コース上では3名取のガッツポーズが高らかに掲げられていた。
1位 名取鉄平
スタートでポジションアップすることができたのがまずよかったです。途中自分と85佐藤、8三宅の3台になったときに周りをよく見て展開を読みながらレースができたのが一番の勝因です。一回8三宅に少し話された時があり焦ってしまったのですが、自分を落ち着かせて体制を立て直しトップに立つことができました。昨日の第3戦予選でBSは夕方のコンディションで有利であることが分かっていたので、とにかく前に出ていきたいと考えていました。85佐藤はおそらく第4戦予選からギア比を上げたおかげで外周が遅かったので、テクニカルセクションで仕掛けて外周で突き放そうと作戦を立てて走っていました。優勝できたこと、そして今季BSタイヤ初勝利となったことがとてもうれしいです。次戦の瑞浪や、今回の本庄もあまり得意なサーキットとは言えませんが、自分を信じて戦っていきたいです。
2位 佐藤蓮
この夕方のコンディションに対して戦力不足でした。もちろん自分のできることはすべて出し切りましたが、この本庄サーキットで外周セクションが遅いのは致命的でした。駆け引きのミスもありましたが、勝てなかったのは非常に申し訳ないですし、ただただ悔しいです。
3位 三宅淳詞
第3戦決勝と異なりかなりトップで走ることができたので優勝できると思ったのですが、結果は3位となりとても悔しいです。今回のレースウィークはタイヤ、シャーシ、エンジンすべてが素晴らしく、チームに優勝をプレゼントしたい思っていたのですが、それができずに残念に思っています。しかし次回の瑞浪は地元で走り込みも行っていますし、去年のレースでも運が良ければいけたように思っています。今回のレースをしっかりと見直して、次回のレースを勝ちに行きます。