木曜日の夜から降り始めた雨は次第に強さを増していき、朝8時ごろにピークを迎えた。猛烈な雨はいくつかのテントを破壊し、夏休みということもあって木曜日から数多くの台数が走行して作り上げたゴム路面を一気に元に戻し、一部のコーナーは水没し土砂にまみれた。当初の走行スケジュールは大幅に変更を余儀なくされ、12時から全クラス15分間3セッションというタイムスケジュールが組まれた。このままレインコンディションでの走行となるかと思われたが、そうなったのは最初の数クラスのみであり、急激な気温上昇と瑞浪スタッフの懸命な努力により路面状況は一気に回復。2セッション目からは全クラスドライタイヤでの走行が行われた。また今大会は金曜日から計測器の装着が義務付けられている。
さて、OKクラスの1セッション目は路面の一部にウエットパッチが残る中での走行となった。トップタイムは#11上原拓和の43.710秒であるが、これは木曜日のベストタイムといわれる42.5秒から1.2秒落ち。この状況下で何かのテストを行うというチームはほとんどなかっただろう。実際半数以上がエンジンの慣らしやマシンの動作チェックをして走行を終了していた。
2セッション目には完全ドライコンディションでの走行が行われた。気温は高く、湿気も相まってうだるように暑い。他クラスの走行台数が多いため路面コンディションの回復が速く、タイムも木曜日の終盤に近付いてきた。ここで42.753秒というトップタイムを出したのは#13三村壮太郎。#20澤田真治が記録した2番手タイムを0.15秒引き離したこのタイムは、エンジンの慣らし終了後に中古タイヤで記録したものであるというから驚きである。大幅なタイヤ変更にてこずっていると語る#85佐藤蓮だが、そういいつつもここでは3番手タイムを記録しており、彼の速さへの貪欲さが表れている。
16時過ぎに3セッション目の走行が開始されたころには太陽が陰り気温がかなり落ちてきた。ここでのトップタイムは#20澤田の42.537秒。DLは様々なスペックのタイヤをテストドライバーたちが試しているようだが、この時澤田が使用したタイヤは走行後の摩耗状態があまり良くなく、このタイヤをレースに使用するとは考え難いが、スプロケが5丁も変更を余儀なくされるほどのリアタイヤの大幅なプロファイル変更(DL大小瀬氏いわく「気のせい」らしいが…)は#20澤田に強く味方しているようだ。2番手タイムを出したのは#6大草りき。今シーズンからYHタイヤを使用する#6大草、シーズン序盤はタイヤの違いに手こずっていたがここにきて何かを掴んだか、走行後には調子がよくなったと笑顔を見せた。