3月26日に琵琶湖スポーツランドで開幕した今シーズンの全日本カート選手権はついに10月28~29日に最終戦を迎える。決戦の地は、三重県 鈴鹿サーキット国際南コース。毎年F1日本グランプリが開催され、モータースポーツファンにとっての聖地とも呼ばれる鈴鹿サーキットは、まさに最終決戦にふさわしい。今シーズンから新たに始まった最高峰カテゴリーOK部門は、果たしてどのような結末を迎えるのか。
国内モータースポーツの中心地!
三重県鈴鹿市にある鈴鹿サーキットは言わずと知れた国内モータースポーツの中心地である。先日も2017F1日本グランプリが開催され、ルイス・ハミルトンが予選でコースレコードを更新、さらには優勝を勝ち取った。そんな日本のモータースポーツの聖地というべきサーキットの敷地内にあるのが、今回全日本カート選手権が開催される国際南コース。鈴鹿サーキット本コースは難易度も高くかなりチャレンジングなサーキットとして世界中にその名が知れ渡っているが、この国際南コースも負けず劣らずのテクニカルサーキットだ。四輪用ミニサーキットとしての側面も持つため、道幅は一般的なカート用サーキットのそれよりも広いが、複合コーナーや微妙なアップダウン、適度に盛り込まれた低速コーナーやハイスピードでのクランクなどが高次元で組み合わされており、この鈴鹿南コースの攻略はきわめて難しい。また直線距離が長くハイギアードなセッティングを取らざるを得ないため、ミスをした際のロスが大きく、また同時にパッシングポイントも多いために順位の入れ替わりがかなり激しい。まさに日本一のレーシングカートドライバーを決める地としてふさわしいサーキットだ。
最後に笑うのは誰だ!?OK初年度の結末やいかに
佐藤蓮がシリーズチャンピオンを獲得済みだが…
さて、今シーズンの最終決戦ということで、まずはOK部門のランキングTOP10を確認しよう。
ランキングTOP10は以上のメンバーがそろっている。トップの佐藤蓮(No.85 / DragoCorse)はすでに250Pを獲得しシリーズチャンピオンを決めている。ランキング2位の野中誠太(No.17 / CREST RICCIARDO)のポイントは148P、OKクラスはこの鈴鹿大会の2レースで最大70Pを獲得可能なので、有効得点を考えても、累計81Pを獲得しているランキング12位の太田格之進(No.18 / SUCCEED SPORTS Jr.)までがランキング2位になる可能性を残している。特に3番手以降はポイント差があまりなく、レースが終わるまでどのような結末を迎えるのか全く予想ができない状況にある。
鈴鹿での注目ドライバー
誰よりも先に注目せねばならないドライバーは、やはり佐藤蓮(No.85 / DragoCorse)だと言わざるを得ない。これまで8戦中6戦優勝という驚異的な成績を収めた佐藤、すでに前回のもてぎ大会でシリーズチャンピオンをその手中に収めたが、貪欲な彼はこの鈴鹿大会でも2連勝を飾って今シーズンを締めくくるつもりだという。そんな佐藤に対して今シーズン唯一待ったをかけたドライバー、それが名取鉄平(No.3 / TeamBirelART)だ。現時点で2名しかいない今シーズン優勝ドライバーのもう一人が名取であり、また同時に名取はSRS経験者ということで、この南コースを熟知している。本庄での第4戦や瑞浪での第6戦のようにこの二人の戦いになるのか、はたまた別の展開となるのか。
一方でその活躍をどうしても期待せずにはいられないドライバーがいる。それは三村壮太郎(No.13 / CrocPromotion)だ。今シーズン大躍進を遂げ続けているYOKOHAMAタイヤはもてぎ大会でついにライバルの横に並び、その性能を限界まで発揮させた三村は第8戦では終盤までトップポジションを維持、最後には佐藤蓮に敗れたが2位表彰台を獲得した。また同じくYOKOHAMAタイヤを使用するADVAN HIROTEXが、今回の鈴鹿でドライバーを藤原道長(No.19 / ADVAN HIROTEX)から、昨シーズン驚異的な速さを見せつけシリーズ4位を獲得した角田裕毅にスイッチするという情報も入手。大草りき(No.6 / LCT by KOSMIC)もシーズン前半の不調を完全に払拭してきている。今回の鈴鹿では、タイヤの進化、そしてドライバー陣営の補強をおこなったYOKOHAMA勢が悲願のドライコンディションでの初優勝を手に入れる日になるかもしれない。
もちろんDUNLOPやBRIDGESTONEがそんなYOKOHAMAの快進撃を黙って見ているわけがない。今シーズンは全体的に不調気味だが、昨年の鈴鹿最終戦の優勝者である朝日ターボ(No.2 / MASUDA RACING PROJECT)がこの鈴鹿で遅いはずがなく、同じくDUNLOPタイヤを履く環優光(No.23 / EXPRIT RACING TEAM JAPAN)や太田格之進(No.18 / SUCCEED SPORTS Jr.)の活躍も見逃せない。またイギリスで行われた世界選手権出場のため前回のもてぎをキャンセルした佐々木大樹(No.9 / TONYKART RACING TEAM JAPAN)、そしてもてぎ大会では目を見張るほど素晴らしい速さとタイヤマネジメントを見せつけた野中誠太(No.17 / CREST RICCIARDO)も鈴鹿で実力を見せつけてくるだろう。2017シーズン最終戦、最後に笑うのはいったい誰になるのか?10月28~29日は、鈴鹿サーキット国際南コースから目が離せない!
鈴鹿サーキット国際南コースへのアクセス
F1日本グランプリを開催するだけあって、鈴鹿サーキットは駐車場も充実しているだけでなく公共交通機関での来場も可能だ。10月22日(土)・23日(日)鈴鹿サーキットの正面ゲートから南コースまでを繋ぐ無料シャトルバスが運行されるため、自家用車で来場した場合は遊園地駐車場に車を止めることをお勧めしたい。また観戦には遊園地入園料が必要となり、大人(中学生以上)1700円、子供(小学生以上)800円、幼児(3歳以上~未就学児)600円となっている。レース観戦後に鈴鹿サーキット遊園地内を散歩しお土産を買って帰る、そんな楽しみ方も可能だ。
公共交通機関の場合
最寄り駅は伊勢鉄道線の鈴鹿サーキット稲生駅
最寄り駅は伊勢鉄道線の鈴鹿サーキット稲生駅。そこから徒歩25分ほどで鈴鹿サーキット正面ゲートまで到着する。
近鉄名古屋線 白子駅から車で約15分
比較的本数の多い近鉄名古屋線を利用するならば、白子駅で下車しタクシーを利用する方法をオススメしたい。
自家用車の場合
自家用車で来場する場合は、東名自動車道 鈴鹿ICあるいは亀山ICからそれぞれ25分ほどで到着する。