OK第3戦の予選ヒートは15周。16:40のスタート時刻には西日が強く差し込み、サーキットはオレンジ色に染まっていた。若干早めのローリングの中、#23佐々木大樹が激しめにマシンを左右に振ってタイヤのウォームアップを行っていた。
レッドシグナル消灯と同時に1コーナーに飛び込んだのは#1佐藤蓮。後ろに#23佐々木大樹、#4朝日ターボが続いたが、#44水野皓稀が3コーナーで4番手に浮上。しかし後半セクションで#3名取鉄平がスタートで遅れた順位を取り返し4番手に立った。隊列は早くも#1佐藤蓮、#23佐々木大樹、#8高橋悠之、#3名取鉄平のトップ4と、#44水野皓稀、#2野中誠太らを先頭とする第2集団へと別れた。トップ4の中でもTONYKARTワークスの2台は2周目に激しく順位を入れ替えたが、最終的には#23佐々木大樹が2番手を死守。これで遅れた#8高橋悠之は#3名取鉄平に3周目の最終コーナーで並びかけられ、続く1コーナーでパスされた。これによりトップの#1佐藤蓮は若干のマージンを築くことに成功し、序盤は多少の余裕をもって走ることができた。
トップ4の中でも特に#3名取鉄平のペースが非常に良く、5周目の最終セクションで前の2台をパスし一気に2番手に浮上。これにより#23佐々木大樹は路面のゴミを拾ったか6周目に#8高橋悠之に再びパスされてしまう。これがきっかけで#2野中誠太を先頭とする第2集団と4番手との距離は詰まったかに思えたが、第1集団のほうが全体的にペースが上のため再びじわじわと離されていった。#23佐々木大樹はいったん体制を整えた後、9周目の2ヘアで#8高橋悠之をパス。#8高橋悠之は若干ペースに劣るか#23佐々木大樹に迫る様子はない。残り3周といったところでトップ4が等間隔になり、これでフィニッシュまで過ごすのかと思われたが、突如として#1佐藤蓮のペースが悪化。このチャンスを逃さまいと#3名取鉄平がマシンをプッシュし始め、14周目の最終コーナーでテールトゥーノーズにまで迫った。最終ラップになり#1佐藤蓮は順位を死守しようと1コーナー、3コーナー、そして2ヘアもブロックラインを走行。刺すに刺しきれない#3名取鉄平は2ヘアの立ち上がりでインをつくほかないが、ここの立ち上がりは五分。最終コーナーは#1佐藤蓮が苦しそうにわずかにアウトラインを走るが、#3名取鉄平は並ぶことができずチェッカーが振られた。
トップは#1佐藤蓮、2番手に#3名取鉄平、3番手に#23佐々木大樹、4番手に#8高橋悠之。以下#7三村壮太郎が第2集団のトップにのし上がり、#4朝日ターボ、#11冨田自然、#2野中誠太、#44水野皓稀の順でチェッカーを切った。
1位 佐藤蓮
かなり苦しい状況にあります。序盤は作戦通り前に出てマージンを確保できたのですが、想像以上に名取鉄平のペースが速かったです。明日は相当に苦しいレースになると予想されます。引きずり降ろされないようにこらえるほかないでしょう。特に、この予選の段階で、ラスト3周にペースがコンマ2落ちたという事実は今回のレースの厳しさを物語っています。明日はやれるだけのことをやるだけです。
2位 名取鉄平
序盤は周りのペースが遅く、皆まだタイヤが温まっていないのかな?と思ったのですが、単純に自分のペースがよかったです。2番手に立った時点でトップの佐藤蓮には少し離されてしまっていたので、とりあえずは2位を守ることに専念し、場合によってはトップを攻めようと考えました。実際に途中まではトップに立つのは厳しいかなと思ったのですが、最後の最後でYOKOHAMAタイヤのペースが落ちたので一気に攻めました。結果としては一歩届きませんでしたが、ポイント的には1点しか差はないので、シーズンを考えた時に問題はないでしょう。タイヤもスリップストリームを使って摩耗を抑えたので、ここで得たマージンを決勝で活用したいです。
自分でもびっくりするぐらいペースの良かった予選でした。練習走行の時から一発のタイムはなかったものの、ロングではこれまでにないほどバッチリ決まっていたので、レースに対していい方向が見えています。ただレースでは何が起こるかはわかりませんので、気をつけながら頑張りたいです。
3位 佐々木大樹
ペース的には佐藤蓮とトントンだと思います。名取鉄平は練習走行のときから今回は車の出来がよさそうで、僕よりも若干速いようです。ただその差は路面コンディションと天候で変わる程度の差です。ユーズドタイヤになったときの状況については、佐藤蓮は速かったけども後半で苦しい様子でした。おそらく摩耗のせいというよりも、連続周回で熱が貯まったときの性能低下が起こるようなので、決勝ヒートのように距離の長いレースだとさらに厳しいのではないだろうかと思っています。ゆえにレースの勝負としては自分と高橋悠之と名取鉄平の3人になるのではないでしょうか。
自分の調子は、今回の予選ヒートではコンディション変化のため若干車のバランスが悪い状態ではありますが、日曜日に向けて合わせこめば問題はありません。エンジン的にもシャーシ的にも名取鉄平のほうが一歩有利なように見えるため、そこに勝つためには対策が必要です。
関連情報
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