朝日ターボのモアグリップを求めた超高剛性セッティング【MASUDA RACING PROJECT】

こう言っては何だが、全日本カート選手権OK部門における最近のDUNLOPはちょっとマズイ状況にある。具体的には2017年8月の瑞浪大会から不穏な空気感が漂い出し、今年になってそれが顕著になった。そう、例の大径タイヤの採用が全ての始まりだ。レギュレーションの限界近くまで大径化されたタイヤはやはりいくつかの問題を抱えているようで、今年の開幕戦もてぎ大会では皆木駿輔の活躍こそあれ、本庄ではタイヤブロー、そして茂原ではブローを嫌ったのが裏目に出たのか、多くのDUNLOPユーザーはグリップ不足に悩まされていた。

グリップを高める単純な方法

消しゴムをギューッと紙に押し付けると滑りが悪くなるのをイメージすればわかるように、タイヤをアスファルトに押し付ける事がグリップを稼ぐほぼ唯一の方法である。F1でダウンフォース量が増えればコーナリングスピードが上がるのもこれと同じ理屈。レーシングカートの場合は重心を上げたり、ハブやシャーシをガチガチに固めることでタイヤに力が伝わりやすい状況にすることで、これを実現できる。もちろん強くこすりすぎると消しゴムが滑ったり折れたりしまうのと同じように、タイヤのグリップ力にも限界があるため、とにかくシャーシを硬くすればいいというわけではない。そんなことは賢明な読者の皆様なら百も承知だろう。

KZシャーシ+トリプルサブシートステー+ダブルフロアパネル

茂原ツインサーキットでグリップ不足に悩むDUNLOPユーザーの中で、これでもかと言わんばかりにタイヤをアスファルトに押し付けてやろうとしているマシンがあった。朝日ターボのマシンだ。

ベアリングホルダーが3点止めのKZシャーシに、左右ともにサブシートステーを3本使用している。シートステーに至ってはレースウィークの途中から左右で1本ずつ増えてこの状態になったのだから驚かされる。それに加え、普段は大径タイヤにより上がった重心をセッティングで下げていたのだが、今回はいつもより一段高い状態でセットされていた。もちろん茂原ツインサーキットがバンピーであることも一因だろうが、どうにかしてタイヤを押さえつけたいという意図が読み取れるセッティングだ。

あれだけリアを固めると、おそらく強いプッシングアンダーが発生するだろうが、それへの対策としてフロント剛性も強化。純正フロアパネルに加えカーボン製らしき同形状のパネルを下に被せていた。ここまでシャーシを固めるとものすごく乗りづらく、まともに走らせるにはドライバーへの負担がかなり大きくなるだろう。そしてモアグリップを渇望した朝日ターボは、DNSとなったヒートを除けば、常時DUNLOP勢2番手のポジションを茂原大会で獲得した。DUNLOP勢トップだった井本大雅は、彼よりも若干柔らかめのセッティングにしていたようだが。

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