レーシングカートはサスペンションがなく、鉄の棒を溶接で組み合わせただけの単純な構造をしているのにも関わらず、その動きには各シャーシメーカーの思想がはっきりと現れるから面白い。ハリのあるシャーシで地面を蹴るようにして立ち上がるもの、フロントタイヤがグイグイと切り込んでいくもの、柔らかくショックをいなすように走るものなどなど…。ただ、時と場合によってはその特性が邪魔をしてしまうこともある。 <h2 class="midashi01">サブシートステー全撤去</h2> <img class="aligncenter size-full wp-image-6634" src="https://paddock-gate.com/wp/wp-content/uploads/2018/08/IMG_7102.jpg" alt="" width="700" height="467" /> 2018全日本カート選手権OK部門の本庄大会で水野皓稀が行っていたセッティングがこれ。スペシャルタイヤの強烈なグリップを受け止めるべきサブシートステーがすべて撤去された状態でレースを戦っていた。聞けばこのセッティング、本庄サーキットバンピーなコーナーでどうしてもリアが跳ねてしまうので、それを防止するために行ったとのこと。さすがにここまでするとトラクション不足が心配になるが、全日本カートOK用に用意されたベアリングホルダーがKZ仕様となっているスペシャルシャーシによる蹴りの良さでカバー。本庄サーキットの直線が多いというコースレイアウトも味方したのだろう。 <img class="aligncenter size-full wp-image-6636" src="https://paddock-gate.com/wp/wp-content/uploads/2018/08/IMG_6767a.jpg" alt="" width="700" height="467" /> 実際にこのセッティングは功を奏し、水野皓稀は決勝ヒートで一時3位を走行する活躍を見せた。シャーシの特性を理解し、欠点を美点で見事に補った大胆なセッティングだ。 <h2 class="midashi01">関連情報</h2> https://paddock-gate.com/wp/6561/ https://paddock-gate.com/wp/6127/