2018年11月12日に、2018年JAFジュニアカート選手権FP-Jr Cadets部門東地域第3戦(茂原大会)において発生した事案について、JAFより判断が示されました。(公示No.2018-WEBK08)
FP-Jr Cadets優勝者のエンジン違反疑惑について
当該の事案とは、2018年JAFジュニアカート選手権FP-Jr Cadets部門東地域第3戦(茂原大会)において、優勝ドライバーの使用していたエンジンのリストリクター部分に加工があった、という件である。JAFから発表された判断は以下の通り。
標記競技部門の競技終了後に判明したエンジンに係る疑義について、カート部会での審議結果に基づき、国内競技規則10-12を適用してモータースポーツ審査委員会への提起の結果、「この原因を追究し、罰則を課す等の裁定を行うことは困難である」との判断が示されたことをお知らせいたします。
規定違反が疑われたドライバーへの罰則等は無し、という判断が下された。
なお、再発防止の観点から、今後以下の対策を講じ、引き続き公平、公正な競技の実施に向けて関係者に対する協力をお願いして参ります。
- 当該部門の単一エンジン供給者においては、管理体制の厳格化について再検討を求める。
- オーガナイザーにおいては、車両検査項目等の再点検および強化を求める。
- 国内競技規則および適用規則に基づく参加者の権利と義務の周知を図る。
2018シーズンからFP-Jr部門ならびにFP-Jr Cadets部門へエンジンをデリバリーする体制が変更されたが、エンジン供給者に対しては管理体制の強化が求められた。
デリバリーエンジンの信用問題
Paddock Gateでも本件について独自の取材を進めていたが、事実を見定めるのが困難であったがため、現在までに記事として発表していなかった。少なくとも、疑義が生じたエンジンはデリバリーされたものであり、そこに一部加工が施されていたことは事実であるとされる。YAMAHA KT100SECをデチューンしたエンジンで戦われるFP-Jr Cadetsでは、エンジンはストック状態であることが規則であるために、加工がされている場合にはペナルティの対象となる。しかし、今回はそれがデリバリーエンジンであったがゆえに、誰の手によって加工が施されたのか、という点が不明確となってしまった。
基本的にデリバリーエンジンは各部が封印されているため、エンジンの加工は不可能に近いといえる状態にある。誰が、いつ、どこで手を加えたのかは不明ながら、エンジンデリバリー制というシステム自体に疑惑を抱かせかねない事態となった本件。ジュニアとカデットという若いドライバーたちの戦いを支える仕組みだからこそ、より一層の公平性が高められることを期待したい。
関連情報
http://jaf-sports.jp/news/detail_000354.htm”]
https://paddock-gate.com/wp/6358/
https://paddock-gate.com/wp/6920/