2019シーズンのOK部門が鈴鹿サーキットで開幕して早1か月。夏の始まりさえ感じられる6月1日~2日に、埼玉県 本庄サーキットにて全日本カート選手権OK部門 第3・4戦が行われる。
舞台は混戦必至の本庄サーキット
埼玉県本庄市にある本庄サーキットは、長い直線をヘアピンでつないだようなレイアウトの四輪・バイク用ミニサーキットだ。首都圏からのアクセスが良好であることから関東圏でも人気のミニサーキットとしての地位を確立、ドリフト・グリップを問わず数多くのイベントが開催されている。
大会中は特設シケインが設けられるとはいえ、レーシングカートレースが行われるサーキットの中では非常に長い直線と広いコース幅を持つため、超高速サーキットとして知られている。最高速からのブレーキングと最終コーナー手前のシケインが攻略のカギとされているが、スリップストリームがよく効くサーキットであるがゆえに独走に持ち込むのは困難を極める。多少のタイム差があっても前方に追いつくことが可能なため、毎回激しいバトルが展開されるのが、本庄サーキットでのレースの特徴だ。
勢いづくルーキーに立ちはばかるベテランの厚い壁
開幕戦鈴鹿ではルーキードライバーが活躍を見せてくれた。第2戦の予選ヒートでは一時トップを走った佐藤凌音をはじめとし、速さを見せた渡会太一と伊藤琢磨、そして第1戦で3位表彰台を獲得した大草りくなどが、早くもOKのハイパワー&ハイグリップマシンを乗りこなすセンスを見せた。
また去年の全日本FS-125本庄大会での結果を振り返ってみると、木内秀柾はTTでトップタイムを叩き出し、大木一輝が優勝という結果を残している。今回の本庄サーキットでは前回の雪辱を果たそうとしていることは間違いなく、本大会でもルーキーの勢いは増すばかりだ。
一大勢力BRIDGESTONEに待ったをかけるDUNLOP
が、しかし、その前にはベテラン勢の厚い壁が立ちはだかっている。去年の本庄では優勝&2位という結果を獲得した佐々木大樹は、開幕戦から凄まじい強さを見せ、早くもシリーズチャンピオン獲得にかける思いの強さを体現して見せた。同じくTONYワークスを牽引する高橋悠之は打倒佐々木大樹に燃えており、去年の本庄、そして今シーズン開幕戦の悔しさを必ず晴らしに来るだろう。
同じくBRIDGESTONE勢では森山冬星と水野皓稀の二名を押さえておきたい。若干タイヤを使いすぎる嫌いがある森山冬星だが、タイヤに優しい本庄サーキットでは持ち前のアグレッシブさが生かされ、去年の第4戦では3位表彰台を獲得している。さらに水野皓稀も安定感のある速さを本庄では見せてくれている。去年は経験不足からか後半に失速してしまったが、OK2年目の今シーズンは表彰台争いに必ず絡んでくるだろう。
毎年本庄でDL勢の中でも好調を見せている井本大雅は要チェックだ。開幕戦ではトラブルにより予選を走れなかったとはいえ、最後尾からの圧倒的な追い上げにより見事に優勝。そして第2戦でも4位入賞を果たし、その速さがブラフでないことを証明した。井本と同じく今年からDL開発ドライバーの一員となった皆木駿輔も、持ち前の速さに磨きがかかってきている。朝日ターボが牽引するDUNLOPは今シーズン開幕戦で驚くべき進化を果たし、使用する全ドライバーの動きが目に見えて良くなった。圧倒的ユーザー数を誇るBS勢に対し、再び待ったをかけることができるか。
YOKOHAMAは逆転の一手を打ってくるか?
2018シーズンのチャンピオンタイヤメーカーであるにも関わらず、2019シーズンの開幕戦では全く実力を発揮できなかったYOKOHAMAタイヤ。どうやらその原因はコンパウンドにあったようだが、反面タイヤの構造はオフシーズンの間にかなり進化したとの情報が入ってきている。問題点は明確であるため、状況は外から見るほど絶望的ではないらしい。
つまり、鈴鹿からわずか1か月しかインターバルが無かったが、もしこの短期間に対策が間に合えば、三村壮太郎や野中誠太らの活躍する場面も十二分にあり得る。仮に100%の状態で無かったとしても、コースレイアウト的にタイヤの性能差が出づらいこの本庄サーキットでは、勝負権のあるところまで持っていけるのかもしれない。
埼玉の超高速サーキットで、勝利の女神は誰に微笑みかけるのか。6月1~2日は本庄サーキットでその一部始終を目撃せよ!
本庄サーキットへのアクセス
公共交通機関の場合
残念ながら現在本庄サーキットへ公共交通機関で来場することはできない。このため、最寄り駅である八高線 児玉駅あるいは上越新幹線 本庄早稲田駅からタクシーを利用する方法となる。
児玉駅から車で約10分
本庄早稲田駅から車で約20分
自家用車の場合
本庄児玉ICから約15分
関越自動車道 本庄児玉ICを降りて約15分で到着する。
関連情報
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