OK第3戦の25周の決勝ヒートは9:40から開始された。昨日よりも天候は曇りがちで比較的涼しい天候だ。#94阿部光がトラブルによりピットスタートとなるが、#8山田杯利を先頭とする隊列がホームストレートに並ぶと、レッドシグナルが消灯しレースがスタートした。
抜群のスタートを決めたのは#93大草りく、そこに#4三村壮太郎、#8山田杯利、#2佐々木大樹、#34渡会太一、#43皆木駿輔が続く。#4三村壮太郎は1コーナーの立ち上がりで#93大草りくを交わすが、バックストレートで#93大草りくがイン側に並び順位を取り返す。しかし続く2ヘアで#4三村壮太郎がインをつきトップに立った。2周目には再び#93大草りくが1ヘアで#4三村壮太郎をパスしトップに浮上。4番手につける#2佐々木大樹は後方の#43皆木駿輔をけん制している。3周目の1コーナーでは#8山田杯利が#4三村壮太郎を交わし二番手に浮上。さらに#2佐々木大樹も1ヘアで#4三村壮太郎をパスした。#4三村壮太郎は自身のペースが足りないのかスリップを生かし集団についていっているような形だ。4周目、トップから順に#93大草りく、#8山田杯利、#2佐々木大樹、#4三村壮太郎、少し離れて#23新原光太郎、#34渡会太一、#7朝日ターボと並んでいる。5周目の1コーナーでは#34渡会太一が#23新原光太郎をパスし5番手に浮上した。
7周目、#2佐々木大樹が1コーナーで#8山田杯利をパスすると、同時にトップ#93大草りくとの差がわずかに開いた。さらに#34渡会太一が#4三村壮太郎に追いつくと、8周目の1ヘアでこれを交わし4番手に浮上。さらにその後ろには#7朝日ターボも迫ってきた。一時はリードを築いたトップ#93大草りくだったが、9周目には#2佐々木大樹を先頭とする2番手争いの集団が追い付き、第一集団は6台で形成された。少し離れた第二集団には#23新原光太郎と#43皆木駿輔が並んでいる。10周目の1ヘアでトップに浮上した#2佐々木大樹だが、#2佐々木大樹の逃げ切りを阻止するべく#93大草りくが翌周の1ヘアでインにつくと、そこに#8山田杯利も続き、#2佐々木大樹は3位にドロップ。しかし同周回の最終コーナーで#8山田杯利を交わし2番手を取り返した。12周目の1ヘアで#34渡会太一が#8山田杯利を交わし、そして#2佐々木大樹は13周目の1ヘアで#93大草りくを交わすと、一気に差が詰まったため各ドライバーはマシンを左右に左右に振ってポジションを確保しようとする。14周目には再び#93大草りくが1ヘアで、少し距離がある状況ではあったが鋭い飛び込みを見せトップに立った。同周回では#4三村壮太郎と#7朝日ターボの順位が3回入れ替わり、#7朝日ターボが5番手に浮上した。
15周目、2番手の#2佐々木大樹と#34渡会太一が1ヘアで#93大草りくのインをつき順位を上げる。さらに#34渡会太一はトップ#2佐々木大樹に迫り、16周目の1ヘアで並びトップに浮上。そこでアウトに押し出される形となった#2佐々木大樹はポジションを確保しようとマシンを振ると、#8山田杯利が若干1ヘアのアウト側にはじき出され、#7朝日ターボと#4三村壮太郎にパスされた。さらに第二集団を抜け出した#43皆木駿輔が第一集団に追い付きつつある状況となってきている。トップに立った#34渡会太一に対し#2佐々木大樹が17周目の1ヘアで飛び込むと、続くシケインで#93大草りくもインを刺し#34渡会太一は3番手にドロップ。そこで速さを見せ始めたのが#33水野皓稀。スタート直後に後方にドロップしてしまった#33水野皓稀だったが、ここで7番手#43皆木駿輔に追い付き、19周目の1コーナーでパス、第一集団にぐんぐんと追い付いていく。またこの時上位集団は各コーナーごとに順位が目まぐるしく入れ替わる展開となり、同周回でトップに立っていた#93大草りくに対し#2佐々木大樹が、そして4番手#34渡会太一に対し#8山田杯利がそれぞれ1ヘアでインをつき順位を上げる。さらに#8山田杯利は20周目の1ヘアで3番手#7朝日ターボを交わし、さらに#33水野皓稀は1コーナーと2ヘアでそれぞれ#4三村壮太郎と#34渡会太一をパスし5番手に浮上した。
残り周回数は5周。トップから順に#2佐々木大樹、#93大草りく、#8山田杯利、#7朝日ターボ、#33水野皓稀、#34渡会太一、#4三村壮太郎のトップ7によるトップ集団が形成されている。#2佐々木大樹は決してペースが良いわけではなく、集団に蓋をしているような形だ。1ヘアに強みを見せる#93大草りくは再び同コーナーでトップに浮上。翌周のバックストレートでインに並びかける#2佐々木大樹に対し#93大草りくはマシンをイン側に寄せきついラインで1ヘアに進入する2台だったが、これを制したのは#2佐々木大樹だった。23周目には#34渡会太一が#7朝日ターボを交わし3番手に浮上。24周目、#93大草りくが#2佐々木大樹に対し1ヘアでインを刺すがこれは失敗。ここで差を詰めた#34渡会太一は2ヘアで#93大草りくに迫るがこちらも失敗。その拍子に#7朝日ターボがシケインで3番手に復帰した。そして最終ラップ。1コーナーで5番手#8山田杯利が#34渡会太一を交わし4番手に立つと、続く1ヘアでその2台が#7朝日ターボをパスし、#7朝日ターボは5番手にドロップ。#93大草りくは2ヘアでトップ#2佐々木大樹のインをつくがこれは失敗。そこで一瞬スピードが落ちた#93大草りくによって後方の差が一気につまり、シケイン、最終コーナーで4台によるサイドバイサイドのバトルが勃発。横並びになって最終コーナーに飛び込んだマシンのうち、前に出てきたのは#8山田杯利だった。
そしてチェッカー。優勝は#2佐々木大樹、2位に#8山田杯利、3位#93大草りく、以下#34渡会太一、#43皆木駿輔、#7朝日ターボ、#4三村壮太郎の順でチェッカーを受けた。#43皆木駿輔はフロントカウルペナルティを受け順位が降格した。
1位 佐々木大樹
ここまでずっと調子が良くなく、決勝ヒートでも決して万全とは言える状態ではありませんでした。その中でもチームは頑張ってよいマシンを作ってくれましたし、自分もベストを出し続けることができました。若手によるかなり激しいバトルが展開されましたが、その中でもトップチェッカーを受けることができたのはうれしかったです。
このようなレース展開になった場合にレースの組み立てということはできず、とにかく待っていたらやられてしまうので、抜かれたら即抜き返すことを考えていました。またタイヤが減ってくると、マテリアル的に不利な面があったとしても次第にその差がなくなってきます。その状況ではドライビングテクニックはもちろん、抜かれ方をうまくすることが大切です。自分の技を生かしてレースできたことが勝因です。どれだけバトルしても、仮に同じベストタイムだったとしても速いドライバーじゃないと前に出ることはできないですし、結果そのようなドライバーが勝ちます。大草りくは僕よりもポテンシャルがあったと思いますが、その状況でも前回から2連勝できたのはうれしいです。チャンピオン奪還に向け次戦も優勝します。
2位 山田杯利
できればあまりバトルをしたくなかったので、待つレースをしようと考えていたのですが、待っていたらやられてしまうような状況でした。余力を残しながら順々に抜いていったのですが、気づいた頃には残り5周だったので少し焦りました。人とは速いところが異なる、特に最終コーナーの脱出が速いので1コーナーで優位に立てたのですが、それでも難しい面がありました。最後はトップに立つことを狙っていました、わずかに届きませんでした。ただ、ペースがさほど良くない佐々木大樹が優勝するということは、勝つためには運以外の要素が必ずあるということだと思います。それがいったい何なのか、それを考えながら次の予選を走り、決勝では優勝をしたいです。
3位 大草りく
レース展開を自分で作ることができなかったのが惜しかったです。ペースは速かったので落ち着いて走ることはできていましたが、とにかく佐々木大樹に逃げられることを恐れたので抜かれたら抜き返すことを徹底していました。1コーナーの立ち上がりが良かったので特に3コーナーでは優位に立ててパッシングを繰り返すことができたのですが、それでも勝てなかったのは悔しいです。ただ自分がトップに立っていた時間はかなりありましたし、他と比べても余裕があるといううことだと思います。次はさらに頑張って抑え込み、優勝を狙います。
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