放熱塗装による高効率化、小型軽量化を狙ったラジエーター:nutec.LCT brioly

全日本カート選手権最高峰カテゴリーであるOK部門は、水冷125ccのエンジンを搭載際するにもかかわらず最低重量がわずか145kgと、現代レーシングカートにおいては最軽量クラスに近い値が設定されている。

このレギュレーションはドライバー自身の体重管理へと大きく影響を与えている。実際、OKマシンをドライブするうえで基準となる体重は60kg以下、理想的には55kg前後であると言われている。身長の高いドライバーにはかなり酷な値だと言わざるを得ない。

物理的に体重低減が難しいドライバーにとって助けになるのがマシンの軽量化だが、知っての通りレーシングカートの軽量化というのはそもそも困難を極める。取り外せるような無駄な部品はそもそもついておらず、材料の置き換えによる軽量化もさほど有効ではないからだ。

高効率化による小型軽量化を果たした特注ラジエーター

そんな中nutec.LCT briolyの大草りくが駆るマシンに2019全日本カート選手権本庄サーキット大会から採用されているのが、この鈍い黒色のラジエーターだ。オイルメーカーであるnutecと共同開発をしたというこのラジエーターは、他のOKマシンに多く採用されているそれと比較すると幅も厚みもそれぞれ薄くなっている。ラジエーターの容量を小さくすることで、ラジエーター本体の小型化はもちろんのこと、中に通る冷却水の量も減らし、kg単位での軽量化を行ったという。

もちろん単純にラジエーターを小型化したならば、冷却性能が低下しエンジンパワーの減少につながってしまう。そこで熱交換効率を維持するために行われているのが放熱塗料の塗布であり、それがこのラジエーターが独特の色となっている理由である。一般的に「放熱塗料」といえば熱放射を利用したものが主流であり、無地のアルミ材と比較すると、塗布後のそれは高い放熱性能を期待できる。

ラジエーターの高効率化による小型化は、単純な軽量化はもちろんのこと、左右バランスの適正化、マスの集中化、さらには冷却水の減少によるウォーターポンプの負荷低減など、レーシングマシンにおいてもメリットが大きい。放熱塗料による高効率化は、今後のトレンドになる可能性があるだろう。

関連記事

ページ上部へ戻る