OK第9戦の決勝ヒートは9時25分から、24周にて行われる。午後から雨予報となっている本日、スタート時点では曇天となっており、路面温度は今週では最も下がっている。情報によると低路面温度化ではYHとDLタイヤはかなりきついという噂も。
三村壮太郎と佐々木大樹というベテラン同い年コンビがフロントローを務める。特に三村壮太郎は、スペシャルタイヤ最終年度に佐々木大樹という長年のライバルと同じ条件で戦うために今年BRIDGESTONEタイヤにスイッチしている。全日本カート選手権を代表する2名によるきれいな隊列が組まれ、ホームストレートに入ると、シグナルがブラックアウトした。
ホールショットを決めたのは三村壮太郎。そこに野澤勇翔、佐々木大樹、佐野雄城、加藤大翔、山田杯利、金子修、小田優、佐藤凌音と続く。スタートで一気に順位を上げた小田優はヘアピンで金子修に迫るがこれは失敗。2周目、9番手につける渡部智仁が小田優を3コーナーでパス。更に最終コーナーで山田杯利が加藤大翔を交わして5番手に浮上した。4周目、三村壮太郎、野澤勇翔、佐々木大樹、佐野雄城の4人は早くも24周のレースを見据えペースコントロールをしている様子が見られるが、一方でペースが良いのが5番手の山田杯利。若干の間隔が開いているTOP4に対しじわじわと追いついていく。
5周目、6番手加藤大翔に対して金子修と小田優がヘアピンでインを刺した。これで行き場を失った加藤大翔は立ち上がりで失速、さらに続くシケインで渡部智仁にもかわされ、9番手までドロップ、その後ろには梅垣清、清水啓伸、佐藤蓮、佐藤凌音が続いている。6周目にはTOP4を捉えた山田杯利がヘアピンで佐野雄城をパスした。
トップ集団はしばらくジリジリと互いに牽制し合うようなペースコントロールを見せる中、佐野雄城はすでに苦しい様子を見せている。10周目、山田杯利についていけなくなった佐野雄城に対し3コーナーで金子修がパス。しかしヘアピンで金子修を佐野雄城と小田優がパスすると、小田優は更に最終コーナーで佐野雄城を交わして5番手に浮上。小田優は予選で築いたマージンをここで一気に使ってTOP4に追い上げをかけていく。
12周目、これまで適度な間隔を取っていたTOP3の間隔が一気に詰まった。13周目にトップ三村壮太郎に対して2コーナーで野澤勇翔が仕掛けトップを奪うと、更に最終コーナーで佐々木大樹が三村壮太郎をパス。その後ろの山田杯利はもちろん、5番手以降の小田優、金子修、清水啓伸が一気に近づいてきた。14周目、清水啓伸が3コーナーで金子修をパス。金子修はペースが上がらない様子化続く15周目にも最後尾から上がってきた堂園鷲、そして渡部智仁にパスされて順位を落とした。同じく14周目、一触即発状態のトップ4では、佐々木大樹が野澤勇翔からトップを奪い、更に山田杯利もヘアピンで三村壮太郎を交わした。山田杯利は16周目のヘアピンで更に野澤勇翔をパスし2番手に浮上した。
17周目、トップ佐々木大樹は若干苦しい様子があり、そこに山田杯利、野澤勇翔、三村壮太郎が並ぶ。若干離れて小田優がいるが、明らかにペースがよくぐんぐんと前方に追いついている。そして6番手に堂園鷲、7番手に清水啓伸となるのだが、予選DNSとなった堂園鷲は明らかにハイペースで追い上げを見せている。
18周目、2コーナーで三村壮太郎を小田優がパスし4番手に浮上。これで一気に堂園鷲も追いつき、堂園鷲は最終コーナーで三村壮太郎をパスした。さらに山田杯利も最終コーナーで佐々木大樹を交わしてついにトップに浮上した。19周目、立ち上がり重視のラインを取った佐々木大樹が1コーナーで山田杯利に迫るがこれは失敗。このチャンスを逃さなかった野澤勇翔が3コーナーで佐々木大樹をパスし2番手に立つと、そこに小田優も続く。小田優と堂園鷲はヘアピンで野澤勇翔のインを刺すと、アウトに追いやられた野澤勇翔がコースアウト、この混乱に乗じて堂園鷲が2番手、その後ろの順位は大きく入れ替わった。
20周目、隊列はトップから山田杯利、少し離れて堂園鷲、三村壮太郎、小田優、清水啓伸、野澤勇翔、佐々木大樹、渡部智仁となっているが、小田優が三村壮太郎を最終コーナーでパスし3番手に浮上。山田杯利のペースは良いが、それを明らかに上回るスピードの堂園鷲が一気に追いつき、21周目の最終コーナーでトップに立った。山田杯利はこれで遅れたか22周目に小田優にかわされた。更に佐々木大樹をパスしてきた渡部智仁が野澤勇翔をパス。佐々木大樹はもうトップ集団についていくペースはなさそうで遅れを見せている。
23周目、4番手の三村壮太郎に対しヘアピンで清水啓伸が、さらに最終コーナーで渡部智仁が迫り三村壮太郎は6番手までドロップ。トップ堂園鷲と小田優の間隔は狭いが、パッシングできる余力は小田優にはないか。そしてファイナルラップ。一気に苦しさを見せる3番手山田杯利を3コーナーで清水啓伸が、ヘアピンで渡部智仁がパスし山田杯利は5番手までドロップ。集団は一気に詰まり、山田杯利はブロックラインで後方を牽制。大きな順位変動があるかと思われたが、ここでチェッカーが振られた。
着順は堂園鷲、小田優、清水啓伸、渡部智仁、山田杯利、三村壮太郎、野澤勇翔、佐々木大樹となった。しかし堂園鷲はプッシングペナルティ、渡部智仁はフェアリングペナルティが与えられ、小田優、清水啓伸、山田杯利の3人が表彰台を獲得した。
1位 小田優
予選はタイヤ温存作戦だったのですが、そこで順位を少し落としすぎました。ただここで残したタイヤがあったことが、決勝レース後半の追い上げに効きました。またこの結果によってシリーズチャンピオンもかなり近づいてきました。優勝を手にしましたが、あくまでも2位フィニッシュだったので、最終戦は1位でゴールして気持ちよく終えたいです。
2位 清水啓伸
序盤は落ち着いていましたが、後半で激しいバトルをせざるをえない位置にいたことが、最後のペースに影響しました。とは言えスタートで順位をあげられましたし、レース中に抜かれたのも堂園鷲だけだったので、予選をフルで走った中ではよくできたほうだと思います。ただ昨日の予選からタイヤを裏組しなかったことで後半でS字の3個目や25Rで苦しくなってきたので、更に良くなる条件は残されていました。1年ぶりの表彰台ですが、最終戦も更に良い結果を使いみたいです。
3位 山田杯利
前半からスピードが非常に良かったので勝てると思ったのですが、後半で抜いてきた人たちがあまりにも速すぎました。展開的にバトルが多かったので、そこで彼らが一気に順位をあげられたのが大きかったです。最後の最後はペースが苦しかったです。自分の今週の調子を考えれば勝てる可能性が高かったので、もう少しペース配分をうまくできればよかったと思います。