コジマブレーンファクトリーが取り扱うIAME社の新型エンジンX30 Super をじっくりと見ることができたので紹介しよう。
ご存知の通りIAME X30は水冷125ccのクラッチ付き、セルスタートのエンジンでハイパワー、税別38万円でカートに組み込むのに必要なほとんどのパーツが付いてくる手軽さから人気を博しており、全日本FS-125ならびに地方FS-125クラス指定のエンジンでもある。これの高性能版に位置するのが今回紹介するX30 Superだ。X30から0.4mmのストロークUP、9.92mmのボアUPにより175ccとなったX30 Superの外観はIAMEのKFエンジンであるREEDSTARによく似ている。
それもそのはず、基本的にはREEDSTARとX30の掛け合わせのようにして出来上がっている。ストローク量54.4mmはREEDSTARと共通であるために、腰下はほとんどREEDSTARのそれと同じだろう。シリンダーのデザインもREEDSTARと同様に見えるが、ボアが拡大した分だけシリンダー全体も大型化している。ただしKFエンジンと異なり、これには排気バルブが搭載されていない。またクラッチはX30と共通部品である。
これについて、クラッチの容量が足りずに破損したり寿命が短くなったりする恐れはないのかと疑問を抱いたが、特に問題はないそうだ。X30のクラッチ自体これまで数回バージョンアップがあったが、向上した信頼性はX30 Superにも受け継がれている。
先日ツインリンクもてぎにて行われた試乗会での様子も聞いてみたが、やはり175ccとこれまでのカート用2stエンジンの中でも最大を誇る排気量であるために多くのドライバーがその強烈なトルクに驚いていたという。スペックを覗いてみても、X30が30HPであるのに対し、X30 Superは43HPと実に13HPも馬力が向上している。これはKFの公称馬力とほぼ同等だ。おそらくKFと比べて排気量が50cc大きい分だけ、これだけの馬力が出ていてもメンテナンスサイクルには余裕があるだろう。今のところX30 Superによるレースの情報は発表されておらず、価格はラジエーターが付属しない状態で税別48万円と高価ではあるが、KFよりも気軽に同等のパワーが手に入るX30 Super。続報に期待したい。