西日が傾きさらに日が陰りがちだったためかなり寒さを感じる16時のスポーツランドSUGO。しかし路面温度は午前中の決勝レースよりはほんのり暖かいようにも感じられる。パドックでドライバーやチーム、そしてタイヤメーカーから情報を収集していったが、今回の各社のタイヤはかなりコンディション変化に敏感であり、ほんのわずかな温度差、コンディションの差がタイムや順位に大きく影響を及ぼす超ハイレベルな状況にあることがひしひしと伝わってきた。すべてのチームがレースでのコンディションがいかようになるのかに気を配り、ベストと思われるセッティングを施した。そして現代に蘇った押し掛けの最速マシンたちは力強い排気音とともにダミーグリッドを飛び出していった。
隊列はすぐにそろい、スタートディレイドなしですぐに日章旗が振られた。ホールショットを決めたのは2朝日、すぐ背後に85佐藤、22井本、18太田が続く。4番手スタートの12冨田はアウト側に押し出され大きくドロップダウンしてしまった。2朝日はスタート直後から後続を引き離しにかかるが、その後ろには85佐藤、22井本、18太田、23環、17野中が続き、第2集団には20澤田、6大草、12冨田、16武井、25佐藤が並ぶ状況。17野中はBSの初動の良さを生かし23環を攻め立てる。3周目、トップ3がかなりの接戦になっている中、5コーナーでポールスタートの85佐藤が2朝日のインを刺しトップを取り返すと、そのままじわじわと後続を引き離していった。DL勢がトップ5を占める中、その直後の17野中のペースがかなり良く、23環を攻略したことで弾みがついたように18太田、22井本を抜き去り3位に浮上する。7周目には18太田が5コーナーで22井本のインサイドに迫るがこれは失敗、その間にトップの85佐藤は2位以下に大きくリードをとっていく。10周目の時点で順位は85佐藤、離れて2朝日、17野中、22井本、離れて18太田、23環、16武井、20澤田、離れて12冨田、25佐藤、そしてこの後ろに13三村が上がってきた。トップの85佐藤は2朝日よりコンマ1速いタイムで後続を引き離しているが、2朝日、17野中、22井本のタイムは互角だ。12周目、85佐藤が2位に約1.5秒のタイムギャップを形成した中、とてつもないペースでポジションを駆け上がっていくマシンがいた。13三村だ。13三村は第3集団のトップとなる9位まで上がったと思いきや、前を行く16武井にすぐに追いつき9コーナーでパス。16武井はペースが上がらないようで第2集団から引き離されてしまっている。予選オープニングラップでクラッシュによりストップした3名取も順位を上げてきた。18周目、トップの85佐藤はすでに盤石の体制を築いており、その後ろの2~6番手は等間隔でペースが拮抗している。7位まで上がってきた13三村はその第2集団の最後尾を走る20澤田を19周目にロックオンすると、20澤田は警戒して若干イン側を走るが9コーナーで13三村が前に上がる。13三村の勢いは衰えることなく、拮抗状態の第2集団の中をすり抜けるように22周目の7コーナーで18太田を、そして25周目の7コーナーで22井本をパスしついに4位まで浮上してきた。レースは残り2周。予選でかなりタイヤを残してきた13三村は第1戦決勝のような不安感は一切なく4位はすでに手中に収めており、もちろんその前の85佐藤、2朝日、17野中も安定している。ここで動いたのは16武井。前を行く7番手の23環に果敢に攻め立て、最終ラップに23環は順位を死守しようとブロックラインをとるが、16武井とその後ろ3名取が7コーナー以降から3台によるサイドバイサイドを繰り広げるが、それを制したのは23環。西日が鋭くホームストレートに差し込む中チェッカーフラッグが振られ、85佐藤、2朝日、17野中、13三村、22井本、18太田、23環、16武井、3名取の順でゴールラインを駆け抜けていった。
1位 佐藤蓮
2連勝することができました。第1戦と異なり予選をフルで走り切ったこともあってか、かなり限界に近いところで走り続けねばなりませんでした。またレース中にホイールバランスが狂ってしまいフロントが振動しタイムに影響してしまったように思います。スタートで2朝日に抜かれた時、自分はまだまだ下手なんだと実感させられました。それはこれからの課題です。
今後はもしポテンシャルが無い時は、予選決勝ともにポイント取得を重視して戦っていきます。しかし、もちろん全戦優勝するつもりです。次戦の本庄はかなり自信があるサーキットなので、次回も勝ちを狙っていきます。
2位 朝日ターボ
スタートは一発で決めるつもりで行き、そしてトップに立つことができました。しかしながら85佐藤とはペースに若干の差があり、ここに課題を感じるレースとなりました。後半タイヤがきつくなってきたときに後ろにBSがいることに気が付いて少し焦りましたが、第1戦で5高橋が後ろにいる時よりも落ち着いてうまくレースすることができました。
まだ今シーズンは始まったばかりです。カテゴリーもOKに切り替わり、ルーキーやベテランという区別なく皆がゼロからのスタートの状態です。シーズン前のテストでは相手が見えない状況で走り続けねばならず、心配事も多かったですが、ここSUGOで1位2位を僕と85佐藤でゴールすることができてとてもよかったです。ただ、状況は僅差です。そしてまだまだやりたいことはたくさんあります。それらを1つ1つこなしていき、さらなる進化を見せていきます。
3位 野中誠太
BSタイヤは初動がよかったので、他より優位な前半に順位を上げていくように頑張りました。3位にまで上がることはできたのですが、中~後半ではもう付いていくのに精いっぱいな状態となってしまいました。しかしその中でもBSタイヤの性能を最大限に生かせるようにドライビングをしていきました。
去年は初めての全日本ということもあり、走るのにいっぱいいっぱいな状態でしたが、今年はレースの組み立てなど冷静にこの週末をこなしていくことができたので、自分の成長を強く実感することができました。ただこれに驕ることのないよう、気を緩めずに今シーズンを戦っていきます。