OK第6戦決勝の前に行われた全日本FS-125クラスでトラブルが発生したためスケジュールは当初の予定よりも1時間30分遅れ、17:30にOK第6戦決勝が開始された。当初の16時スタートから比べると日がかなり傾き路面温度も予想より大幅に低い状態となった。
1コーナーを最初に抜けたのは#9佐々木、2番手に#13三村、さらに#2朝日、#85佐藤が続く。スタートで出遅れた#85佐藤だったが3コーナーで#2朝日をパスし順位を一つ戻す。しかし#2朝日もすかさずS字で取り返し、さらに2周目の2コーナーで#85佐藤が前に出た。ここで#2朝日は若干遅れ、#3名取に1ヘアでパスされてしまう。そこに#30小川が迫ろうとタコツボでインを刺すが接触、#2朝日は大きく順位を落としてしまう。#2朝日とのバトルで前の2台に遅れをとった#85佐藤だが3周目には2番手の#13三村の背中をとらえた。その#13三村は3周目の2コーナーで#9佐々木をパス、ついにYHタイヤがトップを走る瞬間が訪れた。さらに#85佐藤は#9佐々木をパスしようとバックストレートエンドで並びかけるが、#9佐々木がぐっとインを締めたことにより行き場を失いイン側の縁石を大きくまたぎ失速し4位にドロップ。これに乗じて#3名取が2番手を走った。一度は失速し3番手の#9佐々木に離された#85佐藤だったが、すかさず#9佐々木とのギャップを埋め5周目のタコツボで3位に浮上。6周目、#3名取はトップの#13三村をとらえようとマシンをプッシュ、しかしプッシュしすぎたのかタコツボ手前のシケインで大きくマシンが跳ねてしまう。だがそのまま#13三村のイン側でどうにかブレーキをかけマシンを減速させ、接触すれすれでトップに立った。2番手に落ちた#13三村は#85佐藤に7周目の2~3コーナーでアウト側からまくられるが順位が入れ替わるに至らない。そこでその後ろにいた#9佐々木がタコツボで#85佐藤をパスした。レースは#3名取、#13三村、少し離れて#9佐々木、#85佐藤、#20澤田の順で消化されていく。#9佐々木はあまりペースが上がらないのか9周目に#85佐藤にパスされ、さらに翌周のタコツボで#20澤田にもかわされてしまう。また同周回で#13三村は2コーナーで#85佐藤にパスされ3番手に落ちる。ここで踏みとどまればYHの2回目のドライでの表彰台獲得となった。上位3名はテールトゥーノーズ状態だったが、後方の#20澤田のペースが速く4位争いの集団もトップ争いに加わっていく。しかし12周目あたりからこの4位争いが激化。5台以上がそこに絡み激しく順位が入れ替わり、13周目時点で集団のトップに立ったのは#30小川であった。トップの#3名取と#85佐藤の差はほとんどゼロに近く頻繁に並びかけるが、#3名取がブロックし続けるためペースに勝る#85佐藤は前に出ることができない。このため再び4番手争いの集団がトップ集団に近づいていった。15周目、ついに#3名取のブロックは破れ1コーナーで#85佐藤がトップに立った。また#13三村を#30小川が1ヘアで刺すとそこに#17野中も続き、#13三村は集団に飲み込まれていく。16周目、#3名取はすぐにトップに復帰すると、3番手に立った#17野中が#85佐藤にタコツボで入りかかるがこれは#85佐藤のブロックにより失敗。これでわずかに遅れた#17野中は、8台がワンパックとなる3番手争いの先頭になった。17周目にはトップから#3名取、#85佐藤、離れて#17野中、#30小川、#18太田、#20澤田、#6大草、#13三村という順になる。#17野中と#30小川がバトルをすると3番手争いの集団がつまり順位が一気に入れ替わる。これを制したのは#17野中、直後に#18太田が4番手に立った。20周目、ついに#3名取のブロックを#85佐藤が制し1コーナーでトップに立つと、#3名取が一瞬遅れ2台のギャップが一気に開き、そのまま#85佐藤は一気に独走態勢を築く。ファイナルラップ、#85佐藤と#3名取はそれぞれ単独走行、3番手の#17野中と#18太田がバトルを展開し、#18太田がタコツボでインをつこうとするが刺しきれない。#17野中は3番手を死守すべくバックストレートのイン側を走り、#18太田はS字2個目の立ち上がりで#17野中のインサイドを狙うが届かない。そして#85佐藤がトップチェッカー。2番手に#3名取、3番手に#17野中、以下#18太田、#23環、#30小川の順で勝負が決した。
しかし#85佐藤はフロントフェアリングがずれてしまっていたために10秒のペナルティ、さらに#3名取はブロッキングとドライバーズマナーで5位降格のペナルティとなった。(暫定)#3名取にはブロッキングとドライバーズマナーでレース後警告が出されたがペナルティはなく、優勝が#3名取、2位#17野中、3位#3太田となった。(正式結果)
1位 名取鉄平
今回のBSタイヤは初動がよく、また路面温度が低い状況で優位性があったので、スケジュールの遅れは僕にとってラッキーでした。7位スタートということで、レース序盤はとりあえず前に出るしかないと思いながら走っていたら運よくトップに出ることができ、そこからは#85佐藤を抑えようと、周りの展開やタイムを見ながら走っていました。なるべく余裕を持つようにはしていたのですが、ブロックしすぎた面もあったのでそこは次戦への課題です。20周目に詰めが甘く#85佐藤にトップに立たれ、そして離されてしまいましたが、そこでは無理をせずにせめて2位を取ろうと走っていました。2番手ゴールということで悔しさがある一方、運よく優勝という結果になったので複雑な心境です。次戦のもてぎは去年優勝して得意になったサーキットなので、今回以上の結果を残したいです。
2位 野中誠太
結果的には表彰台を獲得できましたし、接戦を抑えられたのはことはとてもよく、今後の自信につながりました。しかしその一方で、これまでのレースもそうでしたが無駄なレース展開が多く、これをいかに抑えられるかが今後の課題としてあります。ただ、タイムトライアル17位からここまで上がってこれたこと、それは自分だけの力ではなく、チームやタイヤメーカーの皆様のおかげだと思っています。彼らには感謝でいっぱいです。
3位 太田格之進
正直なところこの週末を通じてペースが全くつかめず、第6戦の予選までは非常にナーバスな状態になっていました。しかし、決勝に向けてセッティングを大幅に変更したところかなり走りやすくなり、これが一因となってスタートの11位からチェッカー時の4位まで上がることができました。さらにとてもアグレッシブなレースを見せることができたこともよかったです。しかし結果には全く満足していません。今回の決勝への流れは非常に良かったですが、これで満足せず次回は優勝したいです。
4位 環優光
今回の敗因は、抜けるところで抜けなかったところにあると思います。レースの前半では抜けるポイントが多かったのですが、さまざまな不安があり刺しきれませんでした。そういうことがよい方向に進むこともありますが、今回に関しては悪い結果につながったと思ってます。次回のもてぎはタイヤテストでしか走ったことがないのですが、煮詰めれば上位を狙えるはずです。今回の課題を次に生かせるようにして、次戦優勝したいです。