15時を過ぎるころには太陽も次第に橙色に色づいてきた。雲が出てきたため全体的に暗くなり、気温も下がり始めた15時35分にOK第8戦決勝26周のレースが始まった。
ローリングではなかなかポールとセカンドのタイミングが会わず3回のスタートディレイを挟み、レーススタートとなった。ホールショットは#17野中、そこに#3名取、#2朝日が続き、#85佐藤は4番手に出遅れる。その後ろには#14渡邉、#13三村、#16武井が並ぶ。#13三村はオープニングラップの2ヘアで#14渡邉をパスし5番手に上がる。続く2周目の1ヘアでは#85佐藤が#2朝日に並ぶがこれは失敗、しかし直後の2ヘアで#2朝日をかわし、そこに#13三村もついていった。3周目の1コーナーで#3名取がトップに立つと、隊列はトップから#3名取、#17野中、少し離れて#85佐藤、#13三村、さらに離れて#2朝日、#16武井、#14渡邉という順になる。この後しばらく膠着状態が続くが、5周目に#13三村がファステストラップを記録、前を行く#85佐藤に対して追い上げを図っていく。トップ4と5番手争いの3台はそれぞれつかず離れずの距離を保っていたが、8周目の2ヘアで#17野中が動き、#3名取からトップを奪い返した。また同周回に#14渡邉が#16武井を1ヘアでかわしたことで#2朝日が単独となり、#14渡邉の後ろに#5高橋が追いついた。トップ4は再び互いに探りを入れるように等間隔で走っていたが、11周目に#13三村が動いた。1ヘアで#85佐藤をかわした#13三村はこのタイミングで他に比べて速さがあり、翌周の1ヘアでさらに#3名取をかわし2番手に浮上。この時5番手の#2朝日は#5高橋に追いつかれており、また#85佐藤も#3名取についていくようなそぶりが見えないことから、DL勢のタイヤが不利な状況にあるように思われた。14周目についに#13三村が#17野中をかわしトップに立つと、2ヘアでは#85佐藤が#3名取をかわし3位に浮上。トップ2は他を寄せ付けない速さを見せ#85佐藤を引き離し、#3名取は徐々に遅れを取り出した。しかしトップ2の速さも17周目に差し掛かるころには限界を見せ始め、#85佐藤がそこに追いついてトップ3がワンパックになった。このあたりからトップの#13三村は若干ワイドなラインを走っており、タイヤの限界が見え始めたか。21周目に#85佐藤が3コーナーで#17野中をパスするが、かなり余裕のあるパッシング。#13三村は後ろをちらっと確認して#85佐藤を警戒している。3番手の#17野中はついていくのにやっとな状況だ。そして24周目、#85佐藤が3コーナーで#13三村のインをつけそうなほど接近。そして1ヘアでインを刺すがアウトでこらえた#13三村と軽くサイドを接触。2台は若干スピードダウンするが、#13三村がS字で抑え込みトップを死守。しかしながら最終コーナーから1コーナーへイン側のアプローチをとった#85佐藤が1コーナーでトップに浮上。#13三村はどうにかトップに戻ろうと1ヘアで詰めるが届かない。そしてついに最終ラップを迎えた。トップの#85佐藤は1コーナーや3コーナーをブロックラインで走行、そこに#13三村が4コーナーでインにノーズをねじ込み、さらに#17野中はアウト側からまくろうとする。3台はサイドバイサイドで1ヘアに向かうが、#85佐藤がどうにかトップを守り切り、S字、2ヘアへと向かっていく。#17野中は2ヘアから最終コーナーで#13三村に並びかける。そしてチェッカーフラッグ。トップは#85佐藤、2位は#13三村が守り切りYOKOHAMAタイヤドライでの最高順位を更新、3位に#17野中、以下大きく離れて#3名取、#2朝日、#14渡邉という順になった。
1位 佐藤蓮
予想通り朝よりも厳しいレース展開となりました。序盤はペースで負けていたので、後半に追いつけるようにタイヤの摩耗を考えて走っていました。ここで本庄での雪辱をようやく晴らせたというように思っていて、とてもうれしいです。#13三村は同じチームの先輩として、またドライバーとして尊敬していて、様々なことを学ばせていただきました。チャンピオンは予選の段階で決まったようですが、決勝で負けてしまったら気持ちが乗らないので、ここで勝てて本当にうれしいです。もちろん鈴鹿でも2連勝を決めて、自分の速さを見せつけたいです。
2位 三村壮太郎
本当に負けたことが悔しいです。ペースコントロールは万全にしていましたが、後ろを走るとフロントが若干アンダーになるのが嫌で早めにトップに立ちました。ラスト10周はタイヤ的に苦しく、それはBS勢も同じだったと思いますが、そこで#85佐藤だけが余裕を残していたように思います。タイヤマネジメントは良かったですが、しいて言うなら速さが足りませんでした。特に最後は競り合いで負けてしまったので、本当に悔しい思いでいっぱいです。
3位 野中誠太
前半では#3名取と共に前に出ることができ、またマシン的にも悪くない状態だったので行けると思っていました。途中で#13三村がトップに立ったので、後半にどのような動きを見せるだろうかと様子を見ていたのですが、次第に自分もタイヤが厳しくなってしまいました。最後はトップの2台についていくのに必死で、結果に結びつけることができなかったことが悔しいです。次戦の鈴鹿はテストでも調子が良かったで、今度こそは優勝を決めてみせます。