日が大きく傾き、コースの半分には影が落ちていた16時50分、OK第1戦の予選ヒートが開始された。#1佐藤蓮を先頭とするローリングは若干速めのスピードでホームストレートに向かっていき、レッドシグナルが消灯した。スタートと同時に集団は複雑に入り交じり、ホールショットをとったのは#1佐藤蓮、2番手に#43皆木駿輔、その後ろに#7三村壮太郎と#23佐々木大樹が続く。#23佐々木大樹はタイヤの温まりが悪かったのかかなり苦戦している様子で、2周目の1コーナーで#3名取鉄平に並ばれる。しかしそれを#23佐々木大樹は阻止、これにより#3名取鉄平は若干遅れ、#2野中誠太が5番手についた。3周目、2番手の#43皆木駿輔が#1佐藤蓮を果敢に攻め立て、第2ヘアピンでパス、トップに浮上した。その直後には#7三村壮太郎、少し後ろに#23佐々木大樹、#2野中誠太、#3名取鉄平が続く展開だったが、この第2集団はじわじわと先頭集団に迫っていき、翌周には6台の第1集団が形成された。5周目、トップを走る#43皆木駿輔がS字出口でアウト側にタイヤを落としてしまったのだが、これによりマシンの右サウドカウルステーが折れるというまさかのアクシデントが発生。その瞬間#43皆木駿輔のリアタイヤがカウルを巻き込み急激に失速、直後をテールトゥーノーズで走っていた#1佐藤蓮はこれにわずかに接触しつつもかわしトップに浮上。#43皆木駿輔はこれによりリタイヤ、#1佐藤蓮のフロントカウルは脱落が心配されたが、そうではなかったためそのまま走行を続けた。これにより隊列は#1佐藤蓮、#7三村壮太郎、#23佐々木大樹、#2野中誠太、#3名取鉄平という第一集団がけん引する形になった。レース中盤、#3名取鉄平は隊列からじわじわと遅れていき、トップ4はハイペースながらも虎視眈々とパッシングの機会を狙っているようだった。そのような拮抗状態が6周ほど続いたとき、#2野中誠太が3番手の#23佐々木大樹に少し遅れ出し、これにより#3名取鉄平が追いついてきた。そして14周目、残り2周のタイミングで2番手の#7三村壮太郎と#23佐々木大樹の間には若干の距離があったのだが、#23佐々木大樹が第1ヘアピンで猛烈なパッシングを仕掛け2番手に浮上。#7三村壮太郎はアウト側に追い出されつつも3番手につけ、トップの#1佐藤蓮は少し余裕が生まれる形となった。#23佐々木大樹はトップとのギャップを埋めようとプッシュするが、最終的には追いつかずにチェッカーが振られた。結果、1番手は#1佐藤蓮、2番手に#23佐々木大樹、3番手に#7三村壮太郎、以下#2野中誠太、#3名取鉄平、#8高橋悠之、#11冨田自然、#8朝日ターボ、#25佐藤巧望、#9三宅淳詞という順でゴールラインを踏んだ。
1位 佐藤蓮
とにかくタイヤを温存したかったのですが、後方との距離が広がらなかったためプッシュせっざるを得ませんでした。そういうわけでタイヤは少し厳しいかなと思って帰ってきたのですが、見たところ他社も厳しそうな印象でしたので、実際のところは互角でアドバンテージはほとんどないだろうなと思いました。明日のレースは三村壮太郎とどのような戦いができるのかが楽しみです。
2位 佐々木大樹
TTの後に話した通りにはならず、路面温度が下がったためタイヤの内圧が上がるのに少し時間がかかり、スタート直後に出遅れてしまいました。しかし後半のペースは悪くなかったですし、あまり気にはしていません。問題なのは、タイヤによるものなのか、それともマシンの駆動系によるものなのか、中速に弱みがありペースが速くてもスピードが伸びないためパッシングが難しい点にあります。決勝レースではここを工夫して戦う必要があります。
3位 三村壮太郎
3社のタイヤは練習走行の時の印象と異なり完全に互角状態にあるようです。レース展開としては、佐藤蓮も佐々木大樹もペースが速いですが、その中でも決勝に向けてタイヤを温存するようプッシュせず流して走ることができました。反対に佐々木大樹は少しプッシュしているようでタイヤの状態は自分よりも悪く見えました。結果3位という順位を獲得できたので、勝機は十分にあると思います。