OK第4戦決勝ヒートは25周にて行われる。一日中薄い雲に覆われた本庄サーキットは、スタート時刻である15:50分も同様で、わずかに肌寒さも覚えてきた。各車が一斉にエンジンに火を入れる中#24古谷悠河と#44佐藤凌音のエンジンがかからず出遅れるが、3周行われたフォーメーションラップの間にどうにか間に合いポジションにつけた。その一方で長いローリング中に#38坂入悠斗、#94阿部光、#16廣岡陸勢らがエンジントラブルによってコースサイドにマシンを止めてしまった。よって26台の隊列が組まれ、レースがスタートした。
ポールスタートの#43皆木駿輔が抜群のスタートを決め1コーナーを立ち上がった時点で後方を引き離すと、さらに#21井本大雅、#7朝日ターボ、#8山田杯利、#34渡会太一、#4三村壮太郎が続く。#34渡会太一は1ヘアでマシンを滑らせ、それを見逃さなかった#4三村壮太郎がS字で飛び込み5番手に浮上した。DL勢の初動が圧倒的によく、トップ3台は序盤の3周で後方を引き離すが、その中でも特に#43皆木駿輔のペースが良く、単独トップになっていく。
4周目になるとタイヤが温まってきたか、4番手につける#8山田杯利が#7朝日ターボに追い付き、そして5周目の1ヘアでパス。さらに6周目の同コーナーで#21井本大雅をパスするが、そのタイミングで2台は軽く接触し、#8山田杯利が4番手にドロップした。#8山田杯利は7周目の1ヘアで#7朝日ターボのインにつけると、そこに#4三村壮太郎がついていき、#7朝日ターボは5番手にドロップした。その後方では#34渡会太一に対して#2佐々木大樹がパッシングを仕掛け6番手に浮上し、7番手にはスタートで出遅れた#33水野皓稀が上がってきている。#2佐々木大樹は続く8周目で#7朝日ターボを交わして5番手に立った。
9周目、トップ#43皆木駿輔と#21井本大雅はそれぞれ単独、少し離れて#8山田杯利、#4三村壮太郎、#2佐々木大樹、#33水野皓稀、#93大草りく、#34渡会太一と続いている。#4三村壮太郎は1ヘアで#8山田杯利のインをつき3番手に浮上。そこに#2佐々木大樹も続こうとするがパッシングには至らなかった。10周目にはもう一度#2佐々木大樹が1ヘアで#8山田杯利に仕掛け4番手に立った。また同タイミングで8番手の93大草りくと#34渡会太一が#7朝日ターボのインをつきそれぞれ順位を一つずつ上げた。#7朝日ターボはかなり苦しい展開に追い込まれている。後方でバトルが発生しているため、トップ2は強大なリードを築いている。11周目には1ヘアで#33水野皓稀が#8山田杯利をパスするが、これは2ヘアで取り返される。しかし続く最終コーナーで#33水野皓稀と#93大草りくが並んで#8山田杯利のインをつくが、ポジションアップに成功したのは#33水野皓稀だった。
12周目。トップから順に単独の#43皆木駿輔と#21井本大雅、そこからは3番手争いの#4三村壮太郎、#2佐々木大樹、#33水野皓稀、#8山田杯利、#93大草りく、#7朝日ターボ、#34渡会太一となる。このあたりから徐々#21井本大雅のペースが落ちてきて、後方集団が近づいてくる。15周目には完全に2番手争いのトップとなった#21井本大雅は、16周目の1ヘアで#4三村壮太郎にかわされると、17周目の1ヘアでも#2佐々木大樹と#33水野皓稀にもかわされ5番手までドロップ。しかしそのころには6番手#8山田杯利を先頭とする集団が後れを見せており、後方へのマージンが築かれていた。ここで周囲がペースダウンしていく中、速さをキープしていたのが#33水野皓稀。18周目の1コーナーで#2佐々木大樹を交わし3番手に立つと、前を行く#4三村壮太郎との距離をじわりじわりと詰めていく。9番手までドロップしていた#7朝日ターボだが、19周目のシケインでエンジントラブルかストップした。また同周回で#8山田杯利をパスし6番手に立っていた#34渡会太一のペースが突如上がり、、前を行く#21井本大雅に追い付き始め、22周目にパスした。
23周目。トップ#43皆木駿輔は完全に独走状態となり、2番手#4三村壮太郎と#33水野皓稀がテールトゥーノーズ、少し遅れて#2佐々木大樹、さらに遅れて#34渡会太一と#21井本大雅、その後ろには#93大草りくと#8山田杯利という形になる。同周回の1コーナーで#33水野皓稀は#4三村壮太郎をパスし2番手に立つと、後方との差を広げていく。残り2周となった24周目、3番手#4三村壮太郎に対し#2佐々木大樹と追い付いた#34渡会太一が1ヘアでインをつきポジションアップを果たす。そして最終ラップに突入。1コーナーで#34渡会太一と#2佐々木大樹を2台抜きしようとした#4三村壮太郎だったがこれは失敗。しかしこれによって3台の差がぐっとつまり、さらに#21井本大雅も追い付いた。#4三村壮太郎は1ヘアでもう一度2台のインをつくと、そこに続いた#21井本大雅と#2佐々木大樹が接触し、#2佐々木大樹が出遅れる。#4三村壮太郎、#34渡会太一、#21井本大雅のラインがS字で交錯している最中にホームストレート上でチェッカーフラッグが用意され、そしてレースが終了した。
#43皆木駿輔が完全独走状態でOK初優勝をもぎ取り、2位に#33水野皓稀、3位#4三村壮太郎、以下#34渡会太一、#21井本大雅、#2佐々木大樹の順でゴールラインを切っていった。
1位 皆木駿輔
DLの初動の良さを生かして前半逃げ切れればとレース前に考えていたのですが、怖いぐらいにその組み立て通りのレースができました。後半は三村壮太郎や水野皓稀らに追い付かれてきてひやひやしていましたが、トップでゴール出来てうれしいの一言です。自分の走りは突込み重視なところがあり、どうしても後半にかけてタイヤが垂れてしまう部分がこれまではあったので、ずっとこれを改善しようと取り組んできました。土曜日の予選の結果を踏まえ、走りをさらに改善した結果が、この優勝というリザルトに繋がったのだと思います。
チャンピオンを取るにはすでに落としてしまったレースがいくつかあるので簡単にはいかないと思います。しかし、これからのレースも一戦一戦自分のベストの走りをして、置かれた状況の中で最善を尽くしていきたいです。
2位 水野皓稀
TTでトップを取れたことは今週の流れの良さを表していましたし、自分の自信に繋がりました。ただその一方で、各ヒートでは序盤の出だしにミスがあり、反省点として残りました。これは次回までにはどうにか直さねばなりません。追い上げての2位だったので、スタートで出遅れたことが非常に悔しいです。
今回ついにOKで初表彰台を獲得することができました。この経験を忘れず、いいところは伸ばし、悪いところは直して、今後のレースを戦っていきたいです。
3位 三村壮太郎
序盤は苦しいレースになりましたが、これはある程度想定していました。後半にかけ周りが落ちてくるだろうなと思っていましたが、その通りになり優位に事を運べました。第3戦でタイヤが苦しくなっていたので予選からかなりケアしていました。今回のYHは気温とのマッチングが悪く、この決勝は低気温でかなり厳しかったです。その中で戦って、一時5位まで落ちましたが、展開にも助けられ3位表彰台を獲得できました。YHの中では本庄はキーポイントであり、ここでこの結果を得られたことは僕らにとって非常に大きいことでした。
今シーズンのYHタイヤはかなり進化しています。むしろ開幕戦の鈴鹿がイレギュラーでした。さらに現時点での課題は明確にあり、まだまだ速くなる伸びしろが残っています。茂原は少し厳しいかもしれませんが、そこをしのげばSUGOから確実に速さを見せつけられます。ディフェンディングチャンピオンとして、2連覇を目指して頑張ります。
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【2019全日本カート本庄】OK第4戦 予選ヒート | Paddock Gate
OK第4戦15周の予選ヒートは1分遅れの11:43にスタートした。グリッドは昨日のTTの結果に再び戻り、#33水野皓稀と#4三村壮太郎がフロントローの隊列となる。一部のBSユーザーは今朝の公式練習でタイヤの皮むきを行った模様。