2度目の最高峰カテゴリー開催を迎えたオートパラダイス御殿場は、木金曜日と降雨に見舞われた。各タイヤメーカーはドライコンディションのテストが全くできないままタイヤの選択をせざるを得ない状況は開幕戦と全く同じだが、レインでの勢力図は鈴鹿と異なりDUNLOPが優勢のようだ。
ただこのAPGの雨は、まるでドライを走っているかのようにグリップする他のコースでのスペシャルレインとは明らかに一線を画している。どのドライバーもSLタイヤのレインのようにアウトラインを選択し、ハンドルを通常の何倍も切り、待ち時間をしっかり使って向きを変えている。またOK開催サーキットの中では非常に新しいコースということもあってか、各メーカーともにまだまだ手探りでのタイヤ開発となっている部分もあるらしい。期待と不安が混ざり合う開発陣営に話を聞いてきた。
BRIDGESTONE「御殿場に合った構造が見つかった」
Paddock Gate:前回の鈴鹿ではまさしく完璧な勝利を収めることができました。改めて振り返ってどういう点に勝因があったと思いますか?
BRIDGESTONE 菱ヶ江明:去年までの先行逃げ切り型に耐久力を上乗せするというコンセプトの実現ができたレースでした。幅広い温度レンジで常に高いパフォーマンスを維持できた、それこそが前回の勝因であったと考えます。
PG:オートパラダイス御殿場は今回でOK部門が走るのは二回目となります。他のサーキットに比べると未知な部分が多いと思いますが、このコースを攻略する方法はありますか?
菱ヶ江:今年二年目のサーキットなので、まだわかりきっていないというのが実感です。他のサーキットに比べると路面が平滑で、そこに合う構造やコンパウンドが、特にレインではまだピンポイントではわかっていません。ドライもテストの結果をもとに持ち込んでいますが、木金と雨続きでテストできていないので、レース本番で確認する他ありません。ただ、ウエットに関して去年は全く歯が立ちませんでしたが、今年は進化していることは確認できました。しかし現時点でのウエット性能は他社対比で少し劣っています。
PG:例えばAPGは逆バンクが非常に多いサーキットですが、それによるタイヤの違いはありますか?