2021シーズンの全日本カート選手権もついに最終戦を迎えた。11月のツインリンクもてぎは、朝には霜が降りるほどの冷え込みを見せる一方で、昼間は暑さで上着を脱ぐほどの寒暖差が生じている。来たショートコースは山に囲まれている都合上日が落ちるのも早いが、太陽が隠れた途端に一気に気温が下がり、非常にコンディション変化が激しい。スペシャルタイヤの情勢としては、タイヤによって特に朝イチの走行では少しグリップ不足の様相を見せつつ、昼間の温かい状況ではタイムが拮抗。ここまで全戦全勝を飾るBSがピークグリップもロングも一歩優位に立ってはいるものの、今シーズン初の安定した天候による状況変化は十分にありえる様相だ。タイヤメーカー各社の、最終戦に向けての意気込みを聞いていこう。
DUNLOP「トラクションを重視した仕様を投入する」
PG:前回のSUGO第1レースではウエットの中朝日ターボが4位に食い込み、茂原のウエットでBSにやられたところをある程度挽回できたように思いました。実際のところどうでしたか?
DUNLOP 岸本太地:ウエットに関しては今回気温が大きく下がり、我々のコンパウンドにマッチした条件になったことが良かったです。これによってタイヤの実力を見せることができましたが、トップを取れるほどの力はありませんでした。トップの佐々木大樹が逃げ切ったことはさすがだなと思いますし、我々としても展開次第では3位に入れたかもしれない、といったところがあのときの限界でした。BSは茂原から新パターンを投入し、特に縦方向への排水性が向上しています。これは我々にも改善の余地が残されている部分であり、今後新しいものを開発してテストを行っていくことを検討しています。
PG:第2レースは乾いた直後というOKでは特殊な路面でした。BSが前半で優位に立ちましたが、一度10位まで落ちた井本大雅が中盤から一気に追い上げ3位に上がりましたね。あれにはどのような理由があったのでしょうか?