FIA Kartingはカートレースでの安全性を向上させる目的で、ヘルメットへの付加物についての情報を発表しました。特にヘルメットカメラについてはFIAに何度か連絡があったため、今回の発表で規則の正しい解釈を明確にしています。またFHRアンカーやバイザーについての情報も発信しています。
ヘルメット付加物の使用に関する規則はFIAの国際モータースポーツ競技規則付属L項に記載されています(英語・フランス語版 / 日本語訳)。
※今回の発表は国際格式レースでの対応についてです。それ以外のレースでの対応については各主催者にお問い合わせください。
ヘルメットカメラについて
国際モータースポーツ競技規則付属L項には、以下のような記載があります。
第3章 ドライバーの装備品
国際モータースポーツ競技規則付則L項(日本語訳)
第1条 ヘルメット
1.4)改造
製造者が定めた認めた方法に従う場合を除き、製造された当初の仕様からのいかなる改造も認められない。付属品はヘルメット製造者の指示に従った方法で取り付けられなければならない。FIAにより認められた付属品のみが使用されること。その他いかなる改造が施された、あるいは認められていない付属品(ヘルメットカメラ、バイザーなど)の付いたヘルメットも、FIAヘルメット公認を無効とする。
従ってFIAが承認していない全てのアクセサリーはFIA国際スポーツカレンダーに記載されている競技会中に使用することは出来ません。「アクセサリー」という用語にはヘルメットに取り付けられたカメラも関連しています。他のアクセサリーと同様にカメラが特定のヘルメットのFIA承認済みアクセサリーリストに無い場合、そのヘルメットはFIA基準に準拠しておらず、使用は禁止されます。これらのカメラはヘルメットの安全性能を大幅に低下させ、着用者に脅威を与える可能性があります。
以下に示すタイプのカメラはFIAによって承認されていないため、これらのカメラが取り付けられたヘルメットはFIA基準に準拠しているとは見なされません。
FHRアンカーについて
レーシングカートのようなFHRデバイス(HANS等の前頭部保持装置)を着用しないカテゴリーでは、ヘルメットに取り付けられたM6アンカーは必要ありません。
- 8858-2010 Helmet-M6-anchoragesが付いているヘルメットの場合、アンカーの取り外しを強く推奨。アンカーが地面に接触した場合、突起がドライバーの首に接線方向の力を誘発する可能性があります。アンカーを再度取り付ける必要がある競技者は、8858-2010 Helmet-M6-anchoragesに関する指示に従えば戻すことが許可されます。
- 8858-2002 Helmet-M6-anchoragesが付いているヘルメットの場合、アンカーの取り外しは禁止されています。
偽のヘルメットバイザー
FIAカート競技でかなりの数の偽のバイザー(※FIA非公認バイザー)がFIA承認のヘルメットに取り付けられているケースが見受けられます。オリジナル以外のヘルメットバイザーに交換することは禁止されており、偽物は元のバイザーと同じ安全レベルを保証できないため危険です。
オリジナル以外のバイザーにより起こりうる安全上の問題は以下の通りです。
- 貫通テストに失敗した場合、動体との衝突時にバイザーがオリジナルと同じレベルの保護を保証しない可能性が有ることを意味します。
- ISO 12312-1:2013に準拠していないバイザーのコーティングは、ドライバーが信号やその色を認識することをが難しくなる可能性が有ることを意味します。
- 可燃性テストに失敗した場合、バイザーが溶けて落下し、ドライバーが怪我をする可能性があります。
INFORMATIVE NOTE – FIA SAFETY DEPARTMENT
With the purpose of improving Safety in karting competitions, at all the levels, we would like to share with you this informative note based on recent findings in various FIA events. Please follow this guidance and take all the necessary measures to ensure that it is respected within your sphere of competence.