梅雨時期でありながらも、誰も予想していなかった灼熱の戦いとなった2022全日本カート選手権SUGO大会。2戦共に表彰台独占を果たしたBRIDGESTONEだったが、第4戦では5位にDUNLOPが食い込み、YOKOHAMAも2戦共にTOP10入りを果たすなど、タイヤ戦争のさらなる激化を感じた一戦となった。「想定外のことが多く起こった」と語る開発者は、単なる勝利以上の結果を求めていた。
想定外の暑さの中での戦い
Paddock Gate:SUGOでの表彰台独占おめでとうございます。レース前のインタビューでは自信たっぷりに語っていましたが、裏では「路面温度が上がりすぎると危ないかも」なんて話もしていました。実際に第3戦予選では数台でしたがブリスターが発生していましたね。
BRIDGESTONE 間庭崇裕:基本的にはタイヤに問題はありませんでしたが、一部のドライバーでそのような事象が発生しました。それに対応する中でもやれることはしっかりとでき、改善もできました。開発チームとして慌てず対応できたことは良かったです。
PG:だれも予想していなかった暑さの中でBSタイヤが高いパフォーマンスを発揮できたのはなぜですか?
間庭:我々のタイヤは広い温度レンジを持つことを意識して開発しているので、その強みが予想外の気温で活かされたのだと考えています。一方で他社が予想以上に踏ん張ったようにも思っています。我々の想定ではレース後半でもっと他社のペースが落ちると想定していたのですが、そうはなりませんでした。我々のタイヤは想定されたペースで走っていたので、これがタイヤのせいだったのか、それともコンディションのせいだったのか分析していく必要があります。過去のSUGOでのレースは10月など少し寒い時期が多かったためか、今回のレースはいつもと展開が違い、想定外のことが結構起こったという印象を持っています。