「持久力」というと、カートレーサーならレース終盤に残っている体力のことをイメージするかもしれません。スポーツ・競技の中では、持久力は大きく分けて
- 心肺持久力
- 筋持久力
- 精神持久力(集中力)
の3つがあります。それでは、3つをどのようにしたら向上することができるでしょうか。
心肺持久力の高め方
1.有酸素運動
有酸素運動というと、ジョギング・ランニング、サイクリング、水泳などどの典型的な持久運動が頭に浮かんでくると思います。これらの全身運動は、心肺持久力を高めるのには良いオプションです。60-80%の最大心拍数の60-80%で、強度を一定に保ち、週に3-5回、30-60分程度行うと効果があるとされています。
基本的な持久力がついたら、球技に興味のある方は、サッカー、テニスなどのスポーツをすることでも、楽しく心肺持久力を高めることができます。
2.インターバルトレーニング
高強度の運動と低強度の運動を交互に行うインターバルトレーニングを取り入れてみて下さい。良い例としては、20秒間の強度の高い運動と、10秒間の休息、あるいは負荷の軽い運動を1ラウンドとして、それを8ラウンド繰り返すという合計所要時間が3分50秒のタバタ式トレーニングです。
一定の強度を保つ有酸素運動のセッションと、“質”の高いインターバルトレーニングを取り入れることで、さらに心肺持久力の向上ができます。
筋持久力の高め方
筋力トレーニングは、心肺持久力を直接向上させるわけではありませんが、筋肉量が増えることで運動効率が上がるので、結果的に心肺持久力も向上します。自分の体重の60〜80%程度の負荷で、10〜15回を目安に行いましょう。
筋力トレーニングはシーズン進行によって内容を変えていく必要があります。オフシーズンからシーズン初めは、自体重や12~20回・2~3セット繰り返せる軽めの負荷を使って、基本的な筋持久力をつけるトレーニングをしてみましょう。また、上記で述べたタバタ式トレーニングを使うのも効果的です。自体重でできるバーピー、マウントクライマー、スクワット、ランジ、腕立て伏せ、懸垂、プランクなどでサーキットトレーニングメニューを作ってみるも良いでしょう。
そして徐々にインシーズンに向けて、セット1~5回を70~85% 1 rep max(※)の負荷で、大きな筋肉を使うデッドリフト、スクワットなどで、パワーの向上のためのトレーニングを取り入れていくことが多くあります。
※1 rep max
1 repetition maximumのことで通常1RMと表示される。1RMとは、正しいフォームで1回だけ挙げることができる最大重量のこと。重量を使った筋トレを行う際にもっとも重要な基準値。
精神持久力の高め方
精神的持久力(集中力)と心肺持久力は、お互いに必要とされます。心肺持久力が無いと、疲れが早く、体が疲れてくると、集中力が落ちます。また、集中力が欠けると、自分の持っている心肺持久力を発揮できません。
指導者と話し合って、短期・長期の目標設定をし、トレーニングに取り組むことが大切です。また、睡眠・休養もトレーニングの一環です。
体が疲れていると精神持久力/集中力が低下します。トレーニング・競技を楽しんで取り組むことや、学校や家庭でストレスがある場合は、ストレスマネージメントの方法を見つけることも大切です。ストレスマネージメントは人によって異なりますが、瞑想や、友達と時間を過ごすなど、トレーニングや競技から離れて、自分を落ち着けられる、または楽しめることを見つけてみて下さい。