集中力を鍛えるにはモチベーションを高める必要があります。モチベーションとは、物事に対してもっと上手くなりたい、学びたいと興味を持つことです(Conditioning #3参照)。皆さんにとっての物事とはカートレースのことですね。モチベーションは意欲全体を押し上げてくれます。そこからさらに集中力を高めるには、何か1つに意識して取り組むことで可能となります。つまり集中力を高めるにはウォームアップが必要なのです。
モチベーションは脳内物質で言えばドーパミンのことですが、集中力を生み出す脳内物質は「アセチルコリン」です。脳内のアセチルコリンは、末梢神経が筋肉に接続し、収縮させる際に放出する物質と同じです。
集中力を鍛える方法
集中と深い安静の繰り返し
物事に集中する時間はどれぐらいが限度でしょうか?大人の場合、90分を一つの目安にすることができます。子どもの場合、何か好きなことに没頭しているならそのまま続け、それ以外のしなければならないこと、例えば勉強や習い事なら学校の授業時間が目安になります。
集中後に10分から30分休憩します。休憩時はなにも考えず、深い安静を試みます。仮眠になっても大丈夫です。眼を閉じなくても良いですが、他のことに気を取られないようにします。その間にスマートフォンなどは触ってはいけません。ヨガには音楽を聴きながら瞑想をするヨガ・ニドラ(ニードラ)がありますが、それと同じ方法がよいでしょう。
深い安静のあとに再度集中を試みます。その際日ごろから親しんでいるならカフェインを取れ入れると良いと思います。また満腹では眠たくなりがちです。集中したい時は気にならない程度の空腹が良いでしょう。
選択的注意
選択的な注意は集中力を高めます。ある何かのことだけには注意すると選択的に決めておけば、脳はそれを覚えて集中します。これを繰り返すことで脳内に強い回路パターンができ、意識しなくてもその注意ごとに集中できるようになるでしょう。
睡眠時間
集中力は睡眠にも影響を受けます。成長期なら8~9時間の睡眠が必要です。レースに備えるために就寝時間を決めると良いでしょう。就寝前に明日の予定などを頭に入れるておくと、起床後に意識が高まると同時に脳内ではエピネフリン(アドレナリン)が放出され、さらにエピネフリンがやる気を起こすドーパミンへと変化します。
中心視野
気持ちの集中力は視覚の集中力の後に生じます。視覚の集中力は(網膜の)中心視野を利用します。例えば腕を前に伸ばし立てた親指の爪を90秒から3分間見てみましょう。中心視野はアイ・トラッキングの検査でも用いられ、最近ではスポーツ脳振盪後の検査でも用いられています。一点を見ることでアセチルコリンが高まります。
40 Hzバイノーラルビーツ
40Hzバイノーラルビーツを聴くことで脳内のβ(ベータ)波が高まり、集中力を高めることができます。40HzバイノーラルビーツはYouTubeなどで聞けます。集中を必要とする前に90秒から3分程度聴いて、集中力の高まりを覚えてみましょう。この音が苦手と感じる方は、ホワイトノイズ、ピンクノイズ、ブラウンノイズと言った音を試してみても良いかもしれません。これらもYouTubeなどで聞けます。
非必須アミノ酸チロシン
チロシンと呼ばれる非必須アミノ酸の摂取もドーパミン分泌を高め、アセチルコリンを刺激します。よくスパゲティに振りかけるパルメザンチーズやナッツ類などに含まれています。
まとめ
今回は「集中力を鍛えるには」というテーマで、その方法を紹介しました。集中するためにはウォームアップが必要であり、まず好きなことに打ち込むことで脳内のドーパミンがやる気を高めてくれます。やる気が高まったなら集中してみてください。
集中した後は深い安静を10分から30分行うことで、また集中力を高めることができます。安静の際はスマートフォンを触らないことです。
また日ごろの睡眠をしっかりとることが大切になります。睡眠は集中力に関係します。睡眠不足を補うサプリメントは無いということを覚えておいてください。