全日本カート選手権OK部門第3戦決勝は、青空が晴れ渡る10時ちょうどに25周のレースがスタートした。
レッドシグナルが消灯し1コーナーを最初に駆け抜けたのは20澤田、その後ろには左右にラインを振り分けながら85佐藤、23環、8三宅、22井本、17野中、5高橋、30小川、18太田が続く。2周目の2ヘアで85佐藤が20澤田のインを刺しトップを取り返すと、そこについてきたのは23環。20澤田は3番手までドロップしてしまう。トップ3は85佐藤、23環、20澤田、その後ろに8三宅を先頭とする第二集団が形成。隊列が最終コーナーを駆け抜け4周目に入ろうとしたその時17野中のエンジンが焼けてホームストレート上でスピン。真後ろにつけていた5高橋はマシンを大きく右に振ってギリギリで回避した。その間に20澤田が23環をパスし2番手を取り返し、つかず離れずの間隔をキープしていたが、6周目のタイミングで85佐藤と20澤田のギャップがふっと広がった。上位集団のラップタイムは36秒5前後で推移している。レースは1/3が経過。23環は8三宅にパスされ、また直後に5高橋が迫ってきた。12周目の2ヘアで5高橋が23環のインを刺しさらに8三宅も制すると、今度は8三宅が23環に攻め立てられる展開に。次の周の1コーナーで23環が8三宅をパスし、さらにその後ろの22井本も8三宅を2ヘアで刺そうとするがこれは8三宅がブロックした。これにより5高橋と23環のギャップが開き5高橋は単独3位になる。22井本は8三宅を刺し損ねた影響かその後ろの18太田を先頭とする6番手争いに飲まれる。ここは18太田、30小川、22井本、14渡邉が激しいバトルを展開し、さらに16武井がここに追いつき5台での争いとなる。4番手を走行していた23環は徐々にペースが落ちていき、15周目の1コーナーで8三宅が4番手に浮上。17周目には6番手争いの中で14渡邉が22井本を1コーナーで、30小川が18太田を2ヘアでパスし順位が入れ替わると、さらに翌周の2ヘアで16武井が22井本をパスした。レースは残り5周。トップから順に85佐藤、20澤田、5高橋が単独、8三宅と23環がそこに続き、さらに6番手争いの先頭に30小川、18太田、14渡邉、16武井、22井本は6番手争いから離脱していく。この中で8三宅のペースがよく、5高橋に追いついてきた。7番手の18太田は苦しいのか14渡邉よりも最終コーナーのラインが明らかにアウト側だ。22周目、2ヘアで8三宅が5高橋をギリギリのところでパス、2台のペースが一瞬乱れるとそこに23環、さらに6番手争いから抜け出してきた30小川が追いついてきた。残り2周。3番手争いは完全に4台のパックが形成。また8番手を走行していた14渡邉がここでまさかのエンジントラブルによりバックストレート上でスピンしレースを終えてしまう。30小川は23環を最終コーナーで刺しサイドバイサイドとなるが、これを制したのは30小川。そしてチェッカーが振られ、85佐藤、20澤田、8三宅、5高橋、30小川、23環、18太田16武井の順でフィニッシュした。
1位 佐藤蓮
前半タイヤとシャーシセットのマッチングが悪くギクシャクしてペースが上がらなかったのですが、後半少しタイヤが滑りだしてきてから調子よく走れるようになりました。ただ予選でタイヤを温存したので決勝も最後までタイヤが持つだろうと考えていたので、ここが少し気になります。また次のレースでのBS勢の動向も気になります。この決勝でのBS勢の後半の強さは心配ですが、マシンセットはまだ詰められると思いますし、前半の遅さを改善していって次も優勝したいです。
2位 澤田真治
まずは久々の表彰台をとてもうれしく思っています。しかし85佐藤を含めあのチームは総合して全員が速いので、それに追いつく理由を作らねばなりません。BS勢が後半にかけてタイムが速いのは予想通りだったので、前半に逃げ切りの作戦が成功してよかったです。タイヤ開発としては、前データがないこの本庄サーキットで1位2位を獲得することができ、DLタイヤのもともとのポテンシャルの高さを見ることができました。大小瀬さんら開発陣の読みも優れており、感謝の気持ちでいっぱいです。85佐藤が速かったのは悔しいですが、タイヤ開発としては悪くなかったのではないでしょうか。
3位 三宅淳詞
練習から調子がよかったのですが、昨日の予選のスタートで順位を落としてしまったのが響いてしまいました。決勝後半のペースはとてもよかったので、前半に食らいついていければ優勝も見えたと思います。レース展開としては、自分より後ろの人とバトルをしてしまったことが多かったので、次のレースでは前だけを見ていきたいです。