15時35分に、今大会最後のスケジュールとなるOK部門第2戦の決勝ヒートが開始された。
#43皆木駿輔が若干隊列から遅れつつもレーススタート。1コーナーに最初に飛び込んだのが#1佐藤蓮、#7三村壮太郎は若干アウト側に位置取り、そのイン側に#2野中誠太、その後ろに#23佐々木大樹、#33奥住慈英、#24宮下源都、#32平良響、#8高橋悠之が続く。2周目の時点でトップ4は集団からいち早く抜け出し、そして第2集団のトップに#8高橋悠之が位置取り、同じくTONYワークスの#24宮下源都が6番手につけた。トップ4は3周ほどつかず離れずの距離感で互いにプッシュしていたが、徐々に#1佐藤蓮と#7三村壮太郎の2台が#2野中誠太を突き放し、やがてその差は1秒ほどに広がった。それにより1番手争い、3番手争い、そして5番手争いがそれぞれ2台編成になっていき、その後ろから#3名取鉄平、#32平良響、#44水野皓稀が続いていた。7周目のバックストレートで#23佐々木大樹が#2野中誠太に並びかけるがパッシングには至らず。しかし距離感を調整したのちの次の周の1コーナーでインを刺し3番手に浮上。#2野中誠太は順位を取り返そうと一時マシンをプッシュさせるが、まだ長いレースを戦うためか様子見に移ったように見えた。しかし#2野中誠太は予選でタイヤを使いすぎたのか徐々に#23佐々木大樹に食いついていくことができず、後方との距離もあるので単独状態となっていった。上位2名は同じチーム、同じYOKOHAMAタイヤということもあってか、チームで連携しあえてバトルを行わないことでハイペースを維持。これにより15周目まではトップから1.2秒差でこらえていた3番手の#23佐々木大樹はやがてそのペースについていくことができなくなり、これ以降トップ2との差が広がっていった。5番手を走る#8高橋悠之は、一時チームメイトである#24宮下源都を突き放しにかかったが、スリップが使えるため優位な位置にいる#24宮下源都に対しアドバンテージを維持し続けることができず、18周目には完全に2台はテールトゥーノーズになり、そして第1ヘアピンで#24宮下源都がパス、5番手に浮上した。いつ動き出すのかと思われたトップ2だが、20周目に#7三村壮太郎がプッシュを開始しファステストを記録。0.2秒差を維持し続けていた2台の距離はぐんと縮まったが、すかさず#1佐藤蓮もプッシュし始めた。後方とのタイムギャップは3秒にも迫る勢いで、レースは完全にこの二人だけの世界となっていた。マシンをフルプッシュし続ける2台。途中S字の立ち上がりで距離がぐんと縮まり、#7三村壮太郎が第2ヘアピンで仕掛けるかと思われたがパッシングにまでは至らない。2台ともタイヤもマシンも限界ギリギリの激しい攻防戦が繰り広げられ、そして最終ラップを迎えた。#1佐藤蓮は3コーナーや第1ヘアピンでイン側のブロックラインを走り#7三村壮太郎をけん制。それにより#7三村壮太郎はS字の立ち上がりでビタビタにつけることができたが、インに飛び込むことができない。そして最終ラップの最終コーナーから最初に飛び出したのは#1佐藤蓮。ガッツポーズを決めながらチェッカーを受け、2位に#7三村壮太郎。3位には#23佐々木大樹、4位に野中誠太、以下#3名取鉄平、#8高橋悠之、#7宮下源都、#43皆木駿輔、#9三宅淳詞、#12森山冬星の順でフィニッシュ。
YOKOHAMAタイヤが全日本カート選手権最高峰カテゴリーに参戦して11年目。悲願のドライコンディションでの優勝を手にした瞬間だった。
1位 佐藤蓮
はじめからラストまでフルプッシュし続けたレースでした。第2戦予選の時と同じようなゴム路面でしたが、自分の中での最適解の走りをし、マシンの限界を引き出しました。三村壮太郎がスリップで後ろについてきているのはわかっていたので、残り3周でブロックラインを走りはしましたが、来るならいつでも来てくれと思っていました。第1戦の結果も含めて、まだ自分が伸ばせるところが大きいなと実感したレースでした。しかしながらディフェンディングチャンピオンとして、そして今シーズンのチャンピオンに向けて最高のスタートを切ることができました。
2位 三村壮太郎
1周目に前に出て佐々木大樹選手を抑え、2台で逃げ切るという作戦が成功したのは良かったです。2位にいたのはスリップを使って自分に優位なレースをするためで、マシンをプッシュしつつもチャンスをうかがってトップに立とうと狙っていたたのですが、万が一2台でクラッシュした時のことがよぎり、2回狙って2回ともミスをしてしまい前に出られませんでした。自分がもし10歳若ければ…とも思いましたが、結果的にはYOKOHAMAタイヤで1位2位を取ることができたので良かったです。
3位 佐々木大樹
根本的にトップ2台に速さがあり、単純にここで負けていました。特にチームの2台で逃げるために、序盤に動かないで最後にやりあうというセオリー通りの作戦をとられると難しいところがあります。とはいっても、もし自分がスタートで前に出ていても勝てなかったことは、第1戦より遅かったことからも間違いないです。僕はSuper GTにも出場しているので、スケジュールが残っている茂原大会は出場できませんが、OKのシリーズポイントは有効8戦なので、今回の3位という結果はチャンピオンを目指すのに不足はないです。YOKOHAMAもDUNLOPも脅威ですが、BRIDGESTONEとしてさらにタイヤの性能を進化させていきます。今年はどうしてもチャンピオンがほしいので、リスクを背負いたくはないです。そういう意味でいいスタートを切ることができました。以降のレースは速さで常に上回るレースをしたいです。