ほんの数mm高さを変えただけで操縦特性が大きく変化する車高調整は、本来であれば真っ先に試してみるべきセッティング項目だ。ただレーシングカートの場合は純粋なレーシングマシンであるため、レインコンディションや路面ギャップの多いサーキットを走るような場合でない限り、車高を変更する機会はあまり多くないように思う。このためか筆者はこれまで、アライメントアジャスターやフロントハブなどに気を使ったことはあっても、ナックルスペーサーについて何か考えたことなど、おそらく一度たりともなかった。しかし7月に行われた全日本カート選手権茂原大会で、ここに新たな発想を取り入れたマシンを2台発見した。それぞれは全く別の目的で、スペシャルなナックルスペーサーを用意したようだ。