いよいよ2016年の全日本カート選手権が、栃木県のツインリンクもてぎ北ショートコースにて開幕する。今回は1.5day開催となっており、土曜日の昼過ぎからタイムトライアルが開始され、KF部門は16時40分より第1戦の予選も行われる。
KF部門は今や珍しいタイヤ開発競争があることで知られ、BRIDGESTONE・DUNLOP・YOKOHAMAの国内3メーカーがそれぞれにコースの特性や気温に合わせたスペシャルタイヤをサーキットに持込み、各チームに提供している。それぞれがいったい何を考え、どのようなタイヤを用意してきたのか、インタビューを行った。
BRIDGESTONE
Paddock Gate 藤松(以下藤松):私がSuperKFに出場していた2010年はBSが圧倒的で他を寄せ付けない強さがありましたが、ここ最近はDLに押され2012年を最後にBSはチャンピオンの座から退いていますね。BSにとって昨シーズンはどうでしたか?
BRIDGESTONE 本田 真悟(以下本田):去年のシーズンというよりも、ここ数年グリップを上げつついかにタレを抑えるか、速いタイムでの安定性を持たせるかというところを課題にやってきています。グリップと耐久性の両立を図るということですね。しかしながら自分たちが伸びたのと同じように他社も伸びてきた、それによって追いつけなかったというのが去年までのシーズンでした。

BS開発担当の本田真悟さん
藤松:確かにリザルトを見ても苦労していることがわかります。
本田:勝てるタイヤが供給できなかったことは悔しいですね。満足いったタイヤができたか?と言われれば、それは結果が示している通りです。
藤松:BSにとってもてぎとはどのようなコースなのでしょうか?
本田:もてぎのレースは常に寒い時期にあるので、低温下でもいかに戦闘力のあるタイヤを作るかというところが課題となります。例年この時期のもてぎは晴れていても気温が一桁代であったり、はたまた急に暖かくなったりするので、幅広い温度域をカバーできるか、というところも課題の一つですね。
藤松:私にとってもてぎはバンク角も無くひどくフラットなコースなので、タイヤに厳しいという印象があるのですが、その辺りはどうでしょうか?
本田:もてぎ以上に厳しいコースも他にはあります。そういった意味でもてぎが格別タイヤに厳しいかと言われれば、そうではないなと私は思ってます。
藤松:それでは、今回のもてぎに対してどのようなタイヤを用意してきたのでしょうか?
本田:何よりも大切なことは最初にも言ったようにグリップと耐久性の両立です。予選では一発の速さが必要ですし、レースになると何週も速いタイムでラップし続けなければなりません。その両方を高い次元で両立したタイヤを用意してきました。
藤松:そのようなタイヤに対してドライバーたちはどのような印象を持っているのでしょうか?
本田:ドライバーたちの印象はみなよさそうですね。これといった不満もなく素直でいいタイヤになったと思います。
藤松:では今回のレースはいけるな、という自信があると。
本田:やはり良いタイヤができたと思っていても、公式セッションが始まるまではドキドキします。自分たちの判断が本当に正しかったのか、これから結果が出るのが楽しみです。