【2019全日本カート】DUNLOPが小径タイヤを復活させる可能性

2017年8月、DUNLOPタイヤが全日本カート選手権OK部門にとんでもないタイヤを持ち込んだ。それは、従来のものと比較して明らかなレベルで外径の大きいタイヤだ。

DUNLOPの次世代コンセプト?!大径タイヤはどれだけ大きいのか【2017全日本カート選手権】 | Paddock Gate

8月に行われた全日本カート選手権瑞浪大会では、木曜日の練習走行が始まって早々にOK関係者の中で一つ事柄が話題になった。それは、DUNLOPのリアタイヤがこれまで見たことがないほどに大きい、ということ。

この全く新しいコンセプトの大径タイヤは、当初ドライバーやチームにとって扱いが難しかったためか、なかなかユーザー全体で結果を残すことが難しかった。

タイヤ・マシン双方の進化によって対応

しかしそれはもはや過去の話となっている。各チームはベアリングホルダーの加工や特注による車高の修正、そして大径タイヤに対応するシャーシセッティングなどのノウハウを確立させ、現在では安定した速さを手に入れた。それは2019シーズンの結果を見ても明らかで、皆木駿輔、朝日ターボ、井本大雅の3人はそれぞれシリーズを4位、6位、7位という成績で終えている。

【2019全日本カート】東西統一戦 ツインリンクもてぎ リザルト&レポート | Paddock Gate

2019年11月17日に開催された全日本カート選手権東西統一戦 ツインリンクもてぎのリザルトが発表されました。なお、ポイントランキングはPaddock Gate独自集計によるものです。

また同時に大径タイヤの特徴を生かしたDLは、他社にない圧倒的ともいえる耐久性を手に入れた。この性能が顕著に表れたのが、2019シーズンのSUGO大会である。第7戦では先行逃げ切りの作戦を取ったBRIDGESTONEのペースが後半悪化したのに対し、DLは速さを維持し続け、表彰台に朝日ターボと皆木駿輔を送り込んだ。

タイムに課題が残る

しかしその一方でDLが常に悩まされていることがある。一発のタイムが不足している点だ。これは開発チームは課題としてはっきりと認識しており、「タイムが出ないというタイヤの性能差はドライバーの腕やレース展開では埋め難い」という発言も出ている。

【2019全日本カートもてぎ】タイヤメーカーインタビュー【OK】 | Paddock Gate

ついに最終戦を迎えた2019オートバックス全日本カート選手権OK部門。

結果から見ると、2019シーズンで行われた全5回のTTのうち、DLユーザー最上位は開幕戦から順に、11位・6位・1位・11位・11位となっている。今年のOK部門は常に2グループ分けにてTTが行われたこと、それによってコンディションが一定ではなかったことは否めないが、基本的にタイム不足に苦戦していることは明らかである。

ドライバビリティの問題

そしてもう一つ、ドライバーから問題点として挙げられるのが、操縦性の悪さである。ある情報によると、2019シーズンの最終戦もてぎ大会で投入されたものは、DLが現在持ちうるタイヤの中でも特に外径の大きいモデルだったという。これによって入力に対する反応の鈍さ、特にS字などでの切り返しの遅さなどが現れ、そこへの修正の対応に追われたという話が存在した。これはトップ10に入るのがやっとだったという最終戦のレース結果もあり、見直しを求める声が上がていた。

小径タイヤへの方向転換が行われるか?

ここまで2年半の期間投入されてきた大径タイヤは、当初に比べると大きく改善を見せている。しかし、一部DLユーザーからは小径タイヤに戻してほしいという声も挙げられ、またここまでの結果によって来シーズンのDLユーザーは減少するのではないかという見方も存在する。

当然のことながらコンペティションタイヤを用いるOK部門では、ライバルメーカーも進歩し続けている。仮にコンサバティブなタイヤに戻したところで、戦力を即座に取り戻せる保証はどこにもない。未来を見据えた技術革新を目指す技術者と、今この瞬間の結果を求めるユーザーとの間には、溝ができてしまっているのかもしれない。

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