Jrカーターの栄養学2回目の今回は、成長期の子供にはどのような食事が必要なのかをお話ししていきたいと思います。
成長期の中高生にとって、栄養を十分に摂り休養することと並び心身ともに大きく成長するためには、運動することがとても大切です。特にスポーツを頑張る子供においては、レースなどでベストなパフォーマンスを発揮することが大きな目標になります。
そのためには、目標を達成できる身体作りが基本です。人間の身体は毎日の食事で摂る栄養を元に作られていますから、レースで結果を出すためには食事が大切なのです。
では実際どのような食事を摂取すれば良いのでしょうか?
男子 | 男子 | 女子 | 女子 | |
年齢 | オフ期 | トレーニング期 | オフ期 | トレーニング期 |
12~14歳 | 2,600 | 2,900 | 2,400 | 2,700 |
15~17歳 | 2,800 | 3,150 | 2,300 | 2,550 |
スポーツをするために必要な食事
スポーツなどの運動をしていない子どもの場合、必要なのは「発育・発達のためのエネルギー」と「生きるため、生活のためのエネルギー」の2つです。
スポーツをしている子どもの場合は、ここに「スポーツで使うエネルギー」の分も摂取が必要となるわけです。しかし、食べられる量には限界があります。
中高生であれば、まずは「発育・発達のためのエネルギー」と「生きるため、生活のためのエネルギー」が最重要です。もし「スポーツで使うエネルギー」の優先順位が高くなってしまうと、成長スパートの時期に身長の伸びを妨げてしまうことにもなります。運動量を考慮し休養もしっかり取りながら、食事でできる限り補うことが大切です。
「基本の5食」を揃える献立
前回解説した「5大栄養素」を摂取するために、5つの食品を揃えることが大切です。これをおさえることで、バランスの良い食事を摂れるようになります。
- 主食:ご飯・パン・麺などの糖質
- 主菜:肉・魚・卵・納豆などたんぱく質のおかず
- 副菜:野菜を中心としたビタミン・ミネラルを含むおかず
- 乳製品
- 果物
あらかじめ1週間のバランスの取れた献立を決めて、その通りに実行することはなかなか難しいことです。
たとえば朝食が卵料理、昼の給食が肉料理の日であれば、夜は魚料理といったように、食材が重ならないようにするとバランスの取れた献立が作りやすくなります。すべてを手作りする必要もありません。健康補助食品や100%フルーツジュースなどを上手に取り入れて、「基本の5食」が揃うような献立を意識しましょう。
中学生が意識して接種するべき栄養素
まず中学生の時期に意識して摂って欲しい栄養素についてお話しします。
ポストゴールデンエイジ(13〜15歳)と言われるこの年代は、第二次成長期に入り心肺機能に著しい向上が見られます。身長も伸びることもあり、柔軟性がやや低下するという傾向があります。このような時期には、成長を促すカルシウムや血液量を増やす鉄分を摂り入れて欲しいです。
カルシウム
カルシウムの蓄積量は成長期にピークを迎えます。ここでしっかり摂取しなければ、大人になって から蓄積量を増やすことができません。
カルシウムは骨を作るだけではく、脳と筋肉をつなぐ神経系の伝達や筋肉の収縮などにも利用されます。魚介類や卵、きのこ類などに含まれるカルシウムの吸収に必要なビタミンDも一緒に摂取しましょう。
鉄分
身体が大きくなるとその分血液の循環量も増えます。このため成長期には血液の元となる鉄分が不足しがちです。
鉄分はエネルギー代謝や免疫機能、中枢神経系にも関与し、運動能力に最も影響を与える栄養素と言われています。成長期には女子だけでなく男子も貧血になりがちです。積極的に摂り入れましょう。
高校生が意識して接種するべき栄養素
高校生はポストゴールデンエイジ(13〜15歳)が終わり成長もひと段落し、大人に向けて筋力が発達してきます。パワーなどつけるには最適な時期です。オーバートレーニングによるケガや体重増加のリスクもあるので、しっかりと食事でのコントロールを行いましょう。筋力アップが期待できるこの時期には、たんぱく質を積極的に摂り入れましょう。
糖質・たんぱく質
筋肉量が増え始めてくる時期。身体を作る糖質やたんぱく質の量が不足しないように、意識してしっかり摂りましょう。特に女子は「やせ願望」が出ることも多いため、エネルギー不足を起こさせないことが大切です。
カルシウム、鉄分、糖質、たんぱく質は中高生の時期に特に意識して取り入れて欲しい栄養素です。基本の5食でバランスよく食事を摂るように心がけましょう。
次回は筋肉の元となる「たんぱく質」についてお話します。