2018オートバックス全日本カート選手権OK部門第1戦は9時25分に開始された。全車が一斉にエンジンに火を入れる中、昨日の予選で一時トップを走行したもののトラブルによりリタイヤし最後尾スタートとなっていた#43皆木駿輔のエンジンがかからず、結果そのままDNSとなってしまった。
1周のフォーメーションラップののちに26周のレースがスタート。各車一斉に加速し、#1佐藤蓮、#23佐々木大樹、#7三村壮太郎、#8高橋悠之、#2野中誠太、#11冨田自然、#3名取鉄平の順でバックストレートを駆け抜けた。#23佐々木大樹は昨日の予選の反省を生かしたのかスタート直後から鋭い立ち上がりを見せ、オープニングラップの第1ヘアピンで#1佐藤蓮のインをつき、さらにそこに#7三村壮太郎も続いたことで#1佐藤蓮は3位まで順位を落とし、さらに#8高橋悠之に第2ヘアピンでパスされた。#1佐藤蓮はなかなかペースが上がらないのか2周目の第1ヘアピンで#11冨田自然にもパスされるが、これは続く第2ヘアピンで順位を即座に取り返した。隊列はトップの#23佐々木大樹が一つ頭が抜け出した状態で、その後ろに#7三村壮太郎、#8高橋悠之、わずかに離れて#1佐藤蓮、#11冨田自然、#2野中誠太、#25佐藤巧望の順となる。しかし4周目には#1佐藤蓮が第1集団に追いつき、また#2野中誠太は#11冨田自然を3コーナーでパスし、第2集団から抜け出したのちに単独走行となった。トップ4はほぼ等間隔の微妙な距離感を保っていたが、その中でも#1佐藤蓮はなるべく早くトップに立つべくマシンをプッシュ、そして7周目の第2ヘアピンで#8高橋悠之をパスした。前を走る#7三村壮太郎に対してはブレーキングで一気に距離を詰め、9周目の時点で完全にロックオン、そして翌周の3コーナーでパスし2位に、そして12周目には第1ヘアピンの立ち上がりでトップの#23佐々木大樹に完全に並び、続く第2ヘアピンでトップに舞い戻ってきた。そこから独走状態を築こうとマシンをプッシュする#1佐藤蓮だったが#23佐々木大樹はそれを許さず食らいついていく。その後ろの#7三村壮太郎と#8高橋悠之はまだレース中盤のため落ち着いてチャンスを狙っているようにも見えたが、前2台のハイペースについていくことができずじわりじわりと離されていった。15周目時点で#23佐々木大樹の動きが少し怪しくなってきた。特にS字の出口で細かい修正舵を当てていることからもタイヤの限界が近いことがうかがわれた。それでも#1佐藤蓮との距離は一向に広がらなかったが、次第にトップに余裕が生まれるのだろうか。そう思われたが、その3周後あたりから#1佐藤蓮の動きもわずかではあるもののスムーズさを失いだしラインが徐々にワイドになり、さらにその数周後からはエンジンも厳しくなってきたのかバックストレートエンドや第1ヘアピン手前でチョークを当てだし、ストレートスピードが低下してきた。これは#23佐々木大樹のチャンスかともとらえられたが、タイヤが厳しい#23佐々木大樹は各コーナーの立ち上がりで若干の遅れをとるためパッシングに至るまでの距離に詰めることができない。そのようなギリギリの膠着した状況が5周ほど続いたが、ラスト2周になったときに#23佐々木大樹が動いた。少しだけ距離があったものの第1ヘアピンのブレーキングで勝負をかけた#23佐々木大樹が#1佐藤蓮のインをこじ開け横に並ぶ。すかさず#1佐藤蓮はクロスラインをとろうとするが、その次のコーナーはS字のためここでのクロスは意味をなさなずそのままパスされてしまう。#23佐々木大樹は続く第2ヘアピンでイン側のブロックラインを走り順位をキープ。これにより#23佐々木大樹のストレートスピードがわずかながら落ちたのか、#1佐藤蓮はラストラップの1コーナーで少し無理気味に#23佐々木大樹のインをこじ開けようとするがほんの少し届かなかず、無理をした影響で3コーナー時点で2台の距離は離れた。この距離を第1ヘアピン、そしてS字で詰めなおした#1佐藤蓮だったが、#23佐々木大樹はパッシングを阻止すべくイン側を走行。それに対し#1佐藤蓮はアウト側から進入しボトムスピードを稼ぐ。そして2台はホームストレートを横並びで通過したが、#23佐々木大樹が鼻の差で先にチェッカーを受けた。
結果優勝は#23佐々木大樹、2番手に#1佐藤蓮、3番手は#7三村壮太郎。以下#8高橋悠之、#2野中誠太、#24宮下源都の順で第1戦は終了した。
1位 佐々木大樹
YOKOHAMAのほうが摩耗的には有利なようで、僕は特に左リアタイヤが厳しい状態にありました。佐藤蓮は摩耗的には有利だったかもしれませんが、路面温度の上昇などにより少しタレがあったようにも見えました。前を走っていた佐藤蓮のほうが純粋なスピードがありましたが、僕はその後ろでタイヤを持たせることができたので、互角の戦いというよりも向こうのほうがBRIDGESTONEよりもわずかに有利だったのかもしれません。もてぎはコースレイアウト的に抜きどころが2か所しかなく、またクロスラインも取りづらいので、ラスト1周でトップに立っていたことが今回の勝因だと思います。今回のことで暑くなると少しマシン的に厳しい面が出てくることが分かったので、特にこれからある第2戦予選をうまくこなし、決勝でレースができるような状態に持ち込みたいです。
2位 佐藤蓮
タイヤのパフォーマンスとしては勝っていましたが、路面温度が上昇したことでエンジンへの負荷が上がり、エンジンに問題が出てきました。エンジンは焼き付き寸前だったのでどうにか走らせることに必死で、後ろの佐々木大樹の追撃を防ぐことができませんでした。この問題さえ解決できれば第2戦は問題なく戦えるはずです。
3位 三村壮太郎
トップの2人に比べるとスピードがなく、耐えることしかできませんでした。この決勝レースのように路面温度が上昇すると、YOKOHAMAのほうがBRIDGESTONEに比べてきつい傾向にありました。逆に昨日の予選のように遅い時間に行われたことで路面温度が低い状況ではBRIDGESOTNEのほうが不利になるようです。とにかく僕個人としてスピードが不足していたので、とても悔しいレースでした。第2戦の予選はさらに暑くなるはずなので工夫が必要です。