2020年9月、2022年末でレーシングカート用タイヤの生産から撤退することを発表したBRIDGESTONE。「これまでと変わらない情熱を最後までカートタイヤに注ぎ、スペシャルタイヤのOK部門でも全力で戦う」と、とある関係者は9月に語ってくれたが、そうはいっても規模としては縮小されるのだろう、そう考えていた。
ところが2021全日本カート選手権OK部門開幕戦の地である鈴鹿サーキットに出向くと、BSのテントの中にはこれまでと変わらない人数の開発チームがせわしなく働いていた。開発チームの顔ぶれは多少入れ替わっているが、しばらくサーキットを離れていたメンバーまで復帰している。コース内を見渡しても、ペースが良いのはBSを履くドライバーだ。結局日曜日が終わってみると、この開幕戦は他社を全く寄せ付けない強さを見せつけ、一度たりともTOP10への侵入を許さなかった。いったいなぜBSはこれほどまでに強いのか?レース直後の開発者に話を聞いてきた。
Paddock Gate:今回のレースは、まさしく「圧勝」といってよいほどの結果を残すことができました。一体どういう点においてBSタイヤは優れていたのでしょうか?