凍えるほどの冷雨が降り続く厳しいコンディションとなった2021全日本カート選手権SUGO大会。前回の茂原ではレインタイヤの圧倒的な進化を見せ、ウエットコンディションでの復権を果たしたBRIDGESTONEだったが、SUGOではDUNLOPと接戦となり、最も冷え込んだ第7戦決勝ヒートではそこにYOKOHAMAタイヤも食いついてきた。唯一ドライとなった第8戦決勝ヒートは井本大雅が3位に食い込み、タイヤ開発競争のさらなる激化を明らかにした。その状況でもシーズン8戦連続でのタイヤ優勝をもぎ取ったBS開発陣は、今回のレースをどのように分析したのか?
低温下でもレインタイヤはなんとか使えた
Paddock Gate:TTではレインコンディションの中BSユーザーのTOP3がわずか2/100秒差という大接戦を演じましたが、そこから0.14~0.18秒後方にDLユーザーが2台入り、5・6番手を獲得する接戦となりました。茂原の結果からすればこの接戦はむしろ意外だったようにも思えるのですが、いかがでしょうか?
BRIDGESTONE 菱ヶ江明:茂原の結果のほうが出来すぎであっただけで、本来はこれぐらいの実力差なんだろうと感じました。ウエットはその時のコンディションに合ったコンパウンドを選択できるかどうかが肝となるのですが、それは弱い雨か強い雨かでも変わります。今回は他社も路面状況に合わせ込めることができたのでしょう。その結果として接戦となりましたが、その中でも上位を取れたのは今年の新しく投入したパターンの利点が現れたからだと思っています。
PG:レースを見ていた限り、2周目からタイムが出るBSタイヤと、ウォームアップに5~6周かつタイムが出ないBSタイヤがあり、最低でも2種類の仕様違いが投入されていたように見えました。ただ中にはその両方で速いユーザーもいて、不思議な印象がありました。