Jrカーターの栄養学 第3回は、「たんぱく質」についてお話ししていきます。
成長期においてたんぱく質はとても大切な栄養素になります。闇雲に摂るのではなく、特性を理解した上で効率よく摂取していきましょう。
2種類のたんぱく質
たんぱく質は「動物性たんぱく質」と「植物性たんぱく質」の2種類に分類されます。それぞれの特徴や注意点を見ていきましょう。
動物性たんぱく質
動物性たんぱく質とは、肉・魚・乳製品などの動物性由来のものを指します。
動物性たんぱく質の吸収率は90%以上と、体内に吸収されやすいことが特徴です。また吸収スピードが速い点でも優れています。このことから、運動後の筋合成のためのたんぱく質を補給するときに最適です。
しかしながら、動物性たんぱく質を多く含む食品はコレステロールや飽和脂肪酸などが多く含まれており、摂り過ぎると生活習慣病のリスクが高まります。また一度に多量に摂取すると内臓に負担をかけるので、摂取量に気をつける必要があります。
植物性たんぱく質
植物性たんぱく質とは、大豆製品などの植物性由来のものを指します。
植物性たんぱく質の吸収率は70%~80%と、動物性と比較するとやや低め。吸収速度も緩やかです。
植物性たんぱく質を多く含む食品は低カロリー・低糖質のものが多いため、減量が必要な競技の場合は積極的に摂取すると良いと思います。また、ビタミンや食物繊維を多く含むこともあり、たんぱく質の吸収率高めるサポートが期待できます。
質を見極める「アミノ酸スコア」
たんぱく質の種類と同様に、その質も大切な要素です。20種類のアミノ酸によって構成されているたんぱく質ですが、その中の9種類は体内で合成できないため食品から摂取する必要があります。この9種類を必須アミノ酸と呼びます。
Jrカーターの栄養学 #1でも説明しましたが、この必須アミノ酸がバランスよく含まれてるかを判断する指標を「アミノ酸スコア」と言います。この数値が100に近いほど、バランスよく必須アミノ酸が含まれてる食品ということがわかります。
表のように、動物性たんぱく質を多く含む食品のアミノ酸スコアは高い傾向にあります。良質なたんぱく質を摂取するには動物性を積極的に食事に入れることが大切です。特に成長期の選手においては、バランスの良い食品で摂取することが必要です。
たんぱく質を効率よく吸収する方法
では、たんぱく質を効率よく吸収するためにはどうすれば良いのでしょうか?
たんぱく質の吸収を高めるには「種類」と「摂り方」が大切です。摂り方によっては吸収率も変わるので、正しい摂り方を知り、効率よく摂取しましょう。
まずは量です。たんぱく質を一度に摂取する量は40g~50gに抑えます。一度のこれ以上摂取すると吸収はおろか、内臓に負担をかけることになります。このためこまめにたんぱく質を接種することが大切です。プロテインなどの健康補助食品うまく利用し、効率よくタンパク質を摂取しましょう。
つぎにビタミンです。たんぱく質の吸収においてビタミンは大切な役割をします。中でもビタミンB群、特にビタミンB6はアミノ酸の再合成を助ける補酵素として働きます。身体の構成成分である糖質・脂質・たんぱく質だけを摂取しても、ビタミンB群が不足していると体内での代謝が効率よく行われないため、パフォーマンスを発揮できない可能性が出てきます。たんぱく質の代謝にはビタミンB群が関わっているので、たんぱく質と合わせて摂取するようにしましょう。
成長期において「たんぱく質」というのはとても大切な栄養素。しかしながら、食事から効率よく摂取するのが難しい面もあります。
昨今ではジュニアアスリート向けのプロテインも多く販売されています。次回は、「プロテインの活用法」についてお話していきましょう。