FP-Jr Cadets予選最終ラップで起きた珍事件と、その問題点

7月24日に神戸スポーツサーキットにて行われた全日本カート選手権、そのFp-Jr Cadetsクラスの予選で珍事件が発生した。

事件が発生したのはFP-Jr Cadetsクラス予選最終ラップ。No.7の野村勇斗を先頭として白熱したレース展開を見せる各ドライバーたち。

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最終コーナーの手前で突如野村が手を挙げスローダウン&ピットイン!それに釣られなんと11人ものドライバーがピットロードへと吸い込まれていく。

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観戦エリアやピットロードから怒号が飛び交う中、トップチェッカーを受けたのは10番手を走行していたNo.55の松本凌生。

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トップ4台はそのまま車検場へ入ったが、その後方のドライバーたちはメカニックたちの指示を受けあわててコースに戻る。中にはピットロードを逆走しコースに戻るドライバーも見られる。しかし、ピットロード逆走は言うまでもなくペナルティであり、またピットインした場合には必ずピットにてエンジンを停止させねばならないため、ピットロード走行違反を取られ7名ものドライバーが当該ヒート失格の扱いを受けた。
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動画の12分40秒あたりから珍事件は発生する

チェッカー後のスローダウンの提案

おそらくトップを走行していた野村が何らかの勘違いをしたために車検場へと進んでしまったのだろうが、それにつられて大勢のドライバーがコースインしてしまうという前代未聞の珍事件が発生したFP-Jr Cadetsクラス。これはピットインしてしまったドライバーたちの明確なミスであるが、一つの疑問も生まれた。もし野村はチェッカーを受けたと思っていたのなら、なぜスローダウンしなかったのだろうか?実はチェッカー後の規定に関してはJAF国内カート規則や全日本/地方/ジュニアカート選手権統一規則に特に明記されていない。このため、ローカルルールが適用されていない限りはチェッカー後も全速力で走行し、ピットインと同時に徐行すればルール上問題はない。実際に動画で確認しても、チェッカー後も流してはいるもののそれなりのハイペースで走行していることがわかるだろう。しかし他カテゴリー、特に箱車の場合はフリー走行であってもマシンのクールダウンのためにチェッカー後はある程度スローダウンすることがほとんどである。またレーシングカートの場合であってももう攻める必要はないためにタイヤやエンジン、体力の温存のためにチェッカー後はペースを落とすドライバーが多いだろう。そこで筆者は「チェッカー後のスローダウンの義務化」を提案したい。チェッカー後には手を挙げレース進行に支障がない程度のスピードまで落とすことにより、「私は競技を終了しました」と明確な意思表示を行うのだ。レース中にヒートアップしたドライバーが落ち着きを取り戻す機会ともなりうるだけでなく、全員がスローダウンすることによりチェッカーの見落とし、いわゆるダブルチェッカーの発生も減らすことができるだろう。また万が一トップがチェッカーを受けたと勘違いしスローダウンしたとしても、2位以下のドライバーがチェッカーを受けていないことを理解してさえいれば、トップのマシンに何らかのトラブルが発生したと考えるのが通常の判断であるためにそのままレースは継続される。

メカニックのモラル問題

またこの事件によりモラルの問題が発生したと筆者はみている。Cadetsクラスのようにドライバーの年齢が低い場合、その保護者、主に父親がメカニックをしている場合がほとんどであるためにドライバー本人よりもその周囲が白熱してしまうことが多々ある。だからと言って怒号が飛び交うような現場になってしまうことが良いはずがなく、動画に鮮明に映っているがドライバーに暴力をふるうようなことは決してあってはならない。また危険なピットロード歩行も見られる。Cadetsの場合10~13歳のドライバーの出場が認められている。確かにまだまだ幼いために突然のハプニングに対し即座に理解、判断することは難しい場合もあるだろうが、話が通じない年齢ではないだけでなく時間をかければ自分で理解することも十分に可能な年代である。保護者はヒートアップしてしまうこともあるだろうが、一度冷静になりドライバーに状況を説明すれば、あとはドライバーが自分で猛省するだろう。特に今回は稀に見る事件であり、それを冷静に判断できるドライバーのほうが少数であったため、なおさら怒号や暴力は不要なはずだ。レース後にどのような会話が各ピット内で行われたかを正確に知ることは難しいが、メカニックやチームはドライバーと同様に冷静に判断できる状態に常にあるべきであり、子供たちから尊敬される存在となることを強く願う。

関連情報

全日本カート選手権西地域第4戦神戸 リザルト

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