OK第9戦決勝は9:35から24周にて行われる。昨日と同じく秋晴れとなった鈴鹿サーキットに降り注ぐ日差しは心地よく、気温も路面温度も上昇。#23佐々木大樹を先頭とする若干速めのローリングは、タイヤを温めて逃げ切りたいポールポジションの意思の表れか。2周のフォーメーションラップののち、きれいな隊列が形成され、レースがスタートした。
ホールショットを決めたのは#23佐々木大樹、そこに#44水野皓稀が好スタートを決め真後ろにピタリとつけ、#2野中誠太、#3名取鉄平、#24宮下源都、#8高橋悠之が続く展開。#1佐藤蓮はラインを失ったのか15番手まで大きくドロップ。また後方ではクラッシュが発生し、#25佐藤巧望と#27武井遥斗が2コーナーでストップ。#25佐藤巧望は再スタートを切ったが、大きく出遅れる形となった。#23佐々木大樹はスタート直後のペースが悪いのか、2コーナーで#44水野皓稀に、そして3コーナーで#2野中誠太にパスされ3番手にドロップ。また#8高橋悠之が#24宮下源都をかわし5番手に浮上した。
2周目には佐々木大樹がペースを取り返し、最終コーナーで#2野中誠太をかわし2位に浮上。5番手の#8高橋悠之は後方をわずかに引き離し、さらに#24宮下源都に追いついた#11冨田自然が3周目の最終コーナーでかわし6番手に立つ。トップの#44水野皓稀はワイドライン、それに対し2番手の#23佐々木大樹はコンパクトなラインで周回を重ねていくと、5周目のヘアピンで#23佐々木大樹がインをつきトップに返り咲く。#2野中誠太も#23佐々木大樹についていくことで#44水野皓稀をパスしようとするがこれは失敗、しかし続く最終コーナーでかわして2番手に立った。さらにトップからは少し遅れを取っていた#3名取鉄平がこれで#44水野皓稀に追いつき、6周目1コーナーで3番手に立った。同周回では5番手争いの先頭に立っていた#8高橋悠之に対し、#11冨田自然が1コーナーでパスし、集団を突き放しトップ争いにぐいぐいと追いついていく。
9周目、トップの#23佐々木大樹が2位以下を突き放し、さらに3番手の#3名取鉄平が遅れだした。#3名取鉄平のペースの悪化により真後ろの#44水野皓稀との距離は急激につまり、11周目の1コーナーで#44水野皓稀が3番手に浮上。さらに#11冨田自然も完全に追いつき、14周目の1コーナーでかわし4番手となった。この時、47秒台で周回しているのはトップ#23佐々木大樹と2番手の#2野中誠太、そしてじわじわと順位を上げてい、それぞれ6番手と10番手であったYH勢の#7三村壮太郎と#1佐藤蓮の4台だけとなっていた。BS勢のタイムドロップが全体的に激しく、YHタイヤに優位な状況となっている。
15周目、#44水野皓稀の背中と捉えた#11冨田自然が最終コーナーでかわし3番手に浮上。さらに#7三村壮太郎が#3名取鉄平をヘアピンでパスし5番手となった。これで3番手争いは#11冨田自然を先頭とする、#44水野皓稀、#7三村壮太郎、#3名取鉄平、#24宮下源都、#12森山冬星、#8高橋悠之の7台パックとなる。#3名取鉄平はかなり苦しい様子で順位を次々と落としていく。また#7三村壮太郎のペースがよく、#44水野皓稀を18周目の3コーナーでかわし4番手に立つと、じわじわと#44水野皓稀を話していく。。さらに#1佐藤蓮が#3名取鉄平に追いつき、同周回で9番手に浮上した。トップ2を除くと好ペースで走行していた3番手の#11冨田自然だが、19周目のバックストレートエンドでまさかのエンジントラブルによりストップ、まさかのリタイヤを喫してしまう。これによって#7三村壮太郎が3番手に立った。また20周目には#1佐藤蓮が#12森山冬星と#8高橋悠之をかわし6番手に立った。
レースは残り3周。もう各車タイヤが限界か、BS勢もYH勢もタイムに差はない状況。トップの#23佐々木大樹と#2野中誠太はそれぞれ単独、3番手の#7三村壮太郎も4番手以下を突き放し、トップ3は盤石といえた。また少し苦し気な動きを見せていた4番手争いの#44水野皓稀と#24宮下源都に対し、#1佐藤蓮は少し余力を残しているようにも見えた。残り2周。#24宮下源都が最終コーナーで#44水野皓稀のインを刺すと、すかさず立ち上がり重視のラインをとって最終ラップの1コーナーでインを刺し返そうとする#44水野皓稀。しかしここで#24宮下源都がアウトからかぶせるようなラインをとったため2台が接触。#44水野皓稀が1コーナーアウト側でマシンをストップさせてしまう。#24宮下源都はこれで失速したため、#1佐藤蓮がすかさずパスし4番手に立った。
そしてチェッカーが振られた。トップは独走で今期3勝目を獲得した#23佐々木大樹。2位に#2野中誠太、3位は追い上げを見せた#7三村壮太郎。以下#1佐藤蓮、#24宮下源都、#12森山冬星、#3名取鉄平、#32平良響、#81山田杯利、#28伊藤琢磨がトップ10となった。
またチャンピオン争いは、手元の計算では#1佐藤蓮と#7三村壮太郎の2人に絞られた。YHタイヤのシリーズチャンピオンは確定。#7三村壮太郎がチャンピオンを獲得するには、最低でも第10戦予選を6位以上でフィニッシュする必要がある。
1位 佐々木大樹
スタート直後はキャブの調子が悪く、一時3位まで落ちてしまいました。しかしすぐに復調させ、トップに戻ることができたのは良かったです。タイヤはタレることが分かっていて、後半は苦しい状況に追い込まれましたが、それ以上にみんながタレたので、結果的にはぶっちぎりという結果になりました。
今シーズンの僕はSUGO以外はトップ争いを常にしています。開発タイヤであるために、SUGOのような事態はどうしても発生してしまいます。そこはどうしようもないことです。しかし、シーズンを通してみると、BSは速さも強さも見せ続けられています。2戦欠場しているためチャンピオンの可能性はなくなってしまいましたが、まだランキング2位が残されています。たとえチャンピオンを獲れなくても、タイヤ開発としてその立ち位置は大切だと考えます。勝ちに貪欲になり、2連勝して気持ちよくシーズンを締めくくりたいです。
2位 野中誠太
2位ではありましたが、悔しい気持ちが大きいです。同じBSタイヤでありながら、佐々木大樹に独走され、あれほどの差を見せつけられてしまいました。自分の実力不足を痛感しました。またそれ以前に、昨日のTT、予選を通してタイヤを使いすぎた点、今日までのマシンセッティングの作り方、そして自分の走り方、そのすべての詰めが甘かったと思います。冷静になって、次の第10戦で佐々木大樹とのわずかな差を詰めて、レースに挑みたいです。
タイヤマネジメントやスピード不足を実感させられショックではありますが、ここでネガティブになってはいけません。まだレースは終わっていないので、挽回できるチャンスがあります。しっかりと頭を切り替えて頑張ります。
3位 三村壮太郎
まずは昨日のTTでのエンジントラブルにより、予選ヒートを後方からスタートすることになってしまったために、決勝に向けそこまでタイヤを残せなかったことが悔やまれます。ただレースでは、スタートからペースは良かったですし、BSタイヤはペースがいいけども後半タレてくるだろうということはわかっていたので、うまくマネジメントしながら戦っていきました。できることはやり切ったと思います。チャンピオン争いは佐藤蓮との一騎打ちという形になりましたが、勝ってチャンピオンを獲ります。
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