【2019全日本カートもてぎ】タイヤメーカーインタビュー【OK】

ついに最終戦を迎えた2019オートバックス全日本カート選手権OK部門。11月中旬のツインリンクもてぎは、朝夕の冷え込みが厳しい一方で、昼間は人によっては半袖シャツを着用しているほどの暖かさも感じられる、寒暖差の大きいコンディションとなっている。OK部門はスケジュール的に第10戦予選ヒート以外は冷え気味な状況でのレースとなるため、タイヤメーカー各社はそちらを重視したスペックを用意しているのではないかと予想される。低気温でエンジンがよく回るためか、マシントラブルを起こす車両が多く見られた練習走行だったが、レースに向けたデータがどこまで得られたのか?が、一つのポイントとなるのかもしれない。

BRIDGESTONE「他社対比でのストロングポイントがある」

Paddock Gate:前回のSUGOでは、第9戦は佐々木大樹が逃げ切り、第10戦は上位をBRIDGESTONEユーザーで独占しました。改めてどのような点が勝因だったと考えますか?

BRIDGESTONE 中井佑輔:一発のタイムを出して、前半でBSユーザー全体で逃げ切るという狙いを立て、チームやドライバーがそれを理解してタイヤを生かしてくれたことです。確かに後半にかけDUNLOPが上がってきましたが、レース全体で見て戦闘力があるかどうかを判断してスペックをチョイスしています。ドライバーたちはタイヤの特性を理解し、メリットを活かすようにして走ることが大切です。2戦目でトップ5を独占できたのは、1戦目の感触からタイヤの特性を理解していただけたからだと考えます。

PG:今週は11月中旬のもてぎということで、朝夕は寒く、そして昼間はそれなりに暖かい気候になると予想されます。このような低温寄りの広い温度レンジへの対応はできていますか?

中井:もともとレーシングカートのレースは様々な時間帯でレースが行われることから、もてぎだからというよりも、常に広い温度レンジに対応する必要があると考えます。もてぎなりの難しさというものは特にありません。しかし、去年のここでのレースは比較的気温が高く、ここまで冷えたコンディションのもてぎというのは珍しいです。過去データを参照しながら予想を立てタイヤを用意しました。

PG:その用意してきたタイヤは、木・金曜日と走ってきて、どのような感触を得ていますか?

中井:タイムは狙い通り出ており、感触は良いです。レースはSUGOと同じく、タイヤのメリットを理解してドライバーが走る必要があると思います。我々のタイヤには他社対比でのストロングポイントがあるので、そこを感じ取ってほしいですね。ただ一点気になるところとしては、レースは第9戦の予選・決勝、そして第10戦の決勝は路面温度が低いことが予想されますが、そこまで冷えたときのデータは金曜日の朝イチでしか取れていません。その条件は他社も同じで、限られたデータを元に判断する他ありませんが、どのようなレースになるのか注目しています。

PG:現時点でBSユーザーがチャンピオンに王手をかけています。BSにとって7年ぶりとなるチャンピオン奪還に向けての意気込みはありますか?

中井:確かに優位に立っていますが、他メーカーのチャンピオン候補はもてぎで結果を残しているドライバーなので、決して余裕ではないと思います。7年ぶりだからといって特別なにかを意識しすぎるようなことはありません。毎戦しっかりといいタイヤを作って、それをドライバーたちに託すのみです。

DUNLOP「ピークタイムの改善に取り組んだ」

PG:SUGOでは後半にかけDLユーザーが駆け上がっていく展開を見せました。振り返ってみるとどのようなレースだったと考えていますか?

DUNLOP 大小瀬求:まず課題としてピークタイムが出ないというものがはっきりしました。これについてはその場では解決することが難しいため、どのような戦略でレースを戦っていくか?についてチームと議論を行いました。そこで最大限のやれることを投入した結果が、あの後半の追い上げに繋がりました。ただ、タイムが出ないというタイヤの性能差はドライバーの腕やレース展開では埋め難く、勝つところまでは至りませんでした。

PG:今シーズンは好調を見せ、ランキングでもトップ5に3人のユーザーを食い込ませているDLタイヤですが、この寒いもてぎに対してのアジャストはできていますか?

大小瀬:去年までは寒い時期を中心にタイムが低下しがちだという問題を持っていました。ですからそれを今シーズンの課題として一年開発を続けてきたのですが、ここまでやってきたことが見える場になるだろうと思うので、とても楽しみです。今シーズンは例年よりも気温が低いコンディションでレースが行われることが多く、昨シーズンの課題が出づらいことは確認できています。しかし、一発のタイムで劣る点はまだまだ残っています。ですから、低気温に強いという優位性は残しつつ、タイムを他社にどこまで近づけることができるか?を課題とし、今回のレースにむけ仕上げてきました。たとえ今回どのような結果に終わったとしても、来年に向けてやるべきことや、ここまで蓄えてきた技術の結果がわかるでしょう。

PG:ではその課題にトライした結果は、ここまでの走行で見えてきているのでしょうか?

大小瀬:DLユーザーの中だけでの感触では、ある程度狙い通りの性能が出せており、開発の方向性が確かであることがわかっています。例えば、これまで苦手としていた低温域での長距離をこなしたときの性能については、成果が見えてます。ただ、やはり自分たちの中で去年よりもレベルアップしていたとしても、他社も同様にレベルアップしています。そこは別の問題です。一発のタイムについては、今シーズンを見ても勝つところまでは行かないかな?という立ち位置なので、その差がどこまで縮まるのか、あるいは他社がさらに上回るのか、気になっています。ただロングディスタンスでの性能は我々のタイヤの良いので、自分たちの中では満足のいくレベルにはなっています。

YOKOHAMA「開発の進歩は見えている」

PG:SUGOのレースは三村壮太郎が粘りを見せましたが、最終的には満足の行く結果が得られなかったのではないかと思います。振り返ってみるとどのようなレースだったでしょうか?

YOKOHAMA 須賀勇一:路面温度が下がったコンディションに対してタイヤが100%の性能を発揮できませんでした。 ドライバーやチーム、タイヤを生産している工場のメンバーに申し訳無さを感じています。あのようなコンディションは想定していましたが、求めている仕上がりに到達していないというのが現実です。

PG:前回のレースからは1ヶ月しかありませんが、最終戦に向けての改善はできたのでしょうか?

須賀:木・金曜日と走ってきた段階では、改善できたとは言いづらいです。現状では他社対比という話ができる次元にないです。昼間の温かいコンディションでは、特に上位のドライバーについては他社並みに走ることができると思います。しかし寒い路温に対しては、もちろんそこを想定しているのですが、求める性能が出ていると断言するのは難しいです。

PG:今回はヤニック・デ・ブラバンダーに続いて、ディフェンディングチャンピオンである佐藤蓮もドライバーとして起用していますね。彼らが走ることによってなにか良い方向に動くことはないのでしょうか?

須賀:ヤニックは前回より更にコミュニケーションが密に取れるようになりましたし、佐藤蓮はスッキリ的確なコメントが取れるのでやるべきことがわかりやすいです。彼らの参戦は開発に良い刺激を与えてくれています。またSUGOで改善が見られた立ち上がりの軽さについてですが、ここもてぎでも確実な進歩が見えています。むしろ少し軽すぎるのでは?ぐらいの結果が出ているので、非常にポジティブに捉えられている部分もあります。

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4月に開幕した全日本カート選手権OK部門は、ついに最終戦を迎えることとなった。2019年11月16~17日、栃木県 ツインリンクもてぎ北ショートコースにて、オートバックス全日本カート選手権OK部門 第9・10戦が行われる。

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