BS中井佑輔「弱点を潰し適切にリソースを割く開発体制ができた」【2019全日本カートOKチャンピオンタイヤ】

全日本カート選手権最高峰カテゴリー、そこは国内タイヤメーカー3社がしのぎを削る、強烈なタイヤ開発戦争の場でもある。去年はYOKOHAMAが史上初の栄冠を勝ち取り、そして2019シーズンはBRIDGESTONEが7年ぶりに頂点の座を奪い返した。日進月歩で進化していく最先端技術によって、BRIDGESTONEは圧倒的なグリップと耐久性を手に入れ、最終戦もてぎではほぼ常にトップ10を独占し続けた。しかしこの結果を得てもなお、まだまだ課題は残されているという。開発陣はすでに、さらなる進歩を目指していた。

Paddock Gate:最終戦もてぎでの圧勝、そして7年ぶりのシリーズチャンピオン奪還、おめでとうございます。今回のレースもSUGOと同じく、BSユーザーみなでタイムを出して前方を守り切る作戦を取るという話でしたが、実際にその通りのレースになりました。ここにはどのような勝因があったのでしょうか?

BRIDGESTONE 中井佑輔:ありがとうございます。今回のレースはSUGOでの経験が活かされたのだと思います。SUGOでの結果を受け、このもてぎでも似たような特性があるということを、ドライバーが木・金曜日の走行で把握してくれました。ドライバーとチームが、タイヤの特性を感じ取って、どうすれば有効に活用できるかを考えてくれたのが大きいと思います。

PG:もてぎはほぼすべてのセッションで常にトップ10をBRIDGESTONE勢が独占し続ける、圧倒的なレースとなりました。これは一発のタイムだけでは成しえないことですが、何が良かったのでしょうか?

中井:トップ10を独占できたというのは結果に過ぎません。そしてその原因はコンディションです。コンディションはその時々により、予測はしますが外れることもあります。もし少しだけ違う路面であったならば、全く異なる結果になった可能性もあります。ただ、開発として様々なコンディションに対応できるタイヤを目指し続けてきたことが、この結果を得た一因だったと思います。

PG:練習走行の段階では、BSタイヤはタイムが出るがタレがひどく、ドライバーによっては大きくタイムが落ちる崖のタイミングがある、という話も出ていました。しかし実際にはラバーが乗ったからか、レースでは全く問題がありませんでしたね。

中井:BSユーザーは数が多いのでそれぞれの感触があると思いますが、我々としては入れたタイヤに崖が来るとは思っておらず、タイムも出るし摩耗も持つという、予想通りのパフォーマンスが発揮できたと考えています。タレを感じたドライバーは多かったようですが、急激にパフォーマンスが落ちるポイントはレースでもありませんでした。これはタイヤ開発を主に担当している佐々木大樹や高橋悠之らはもちろん、宮下源都、古谷悠河、また渡会太一や山田杯利にも評価を手伝ってもらって、正しく評価できたことが大きいです。

PG:今年は全体的な傾向として、去年のチャンピオンYOKOHAMAはうまくかみ合わず、DUNLOPはピークタイムこそ劣るものの耐久性に優れる、というような勢力図に見えました。他社についてはどのように考えていますか?

中井:まずYHですが、第10戦決勝でヤニック・デ・ブラバンダーと佐藤蓮は速さを見せました。確かに二人とも予選は走れなかったとはいえ、コンディションが異なれば十分に戦える力があったのでは?と警戒しています。彼らが何をどうしているのかを我々なりに解釈しながら、いいところを真似していきたいです。DLについては、あのタレの無さはすごいです。今回やSUGOで見せた性能は高く、ピークグリップが出る様になれば素晴らしいタイヤになるでしょう。とても脅威に感じています。今回は我々の作戦が功を奏しましたが、DLの作戦が成功し、彼らが上位を独占することは十分あり得ることだと思います。技術の長所が異なるので、我々に不足している部分を参考にして開発していきたいです。

PG:今回のレースでついに7年ぶりとなるチャンピオンを奪還しました。去年はあと一歩のところでYHにチャンピオンを奪われましたが、それを乗り越えたのは何が変わったからなのでしょうか?

中井:去年はウエットタイヤで負けたと考えています。そこをしっかり開発できたのはポイントでした。確かに今年唯一のウエットレースとなった茂原では負けました。しかしSUGOでの練習走行で降った雨では、他社とそん色ないタイムで走れることもわかりました。ウィークポイントをしっかりと潰すことで、ドライもウエットも適切にリソースを割く開発体制を作ることができたのです。

PG:とはいってもウエットでの結果はまだ出ていませんし、恐らくドライでも課題がまだあると思います。来年も激しい争いになると思うのですが、どのように戦っていきますか?

中井:そうですね。レインの課題は残っていますし、ドライはDLに比べてタレがあるのがウィークポイントです。両方ともにオフシーズンで解決できるよう開発をしていきます。来年以降も油断のならないシーズンが続くでしょうが、この冬の間に研究を進め、2連覇、3連覇はもちろん、もはや開発の必要が無いぐらいのいいものを作っていきたいです。BSユーザーで常に上位を独占できるような、圧倒的な戦闘力の持つタイヤを目指していきます。

関連情報

【2019全日本カート】東西統一戦 ツインリンクもてぎ リザルト&レポート | Paddock Gate

2019年11月17日に開催された全日本カート選手権東西統一戦 ツインリンクもてぎのリザルトが発表されました。なお、ポイントランキングはPaddock Gate独自集計によるものです。

関連記事

ページ上部へ戻る