ここ最近の自動車業界の話題はもっぱら自動運転技術とEVシフトである、という事実に異論のある人はいないだろう。日本国内では高齢者の交通事故が後を絶たず、自動運転は交通事故件数の減少の他、地方に住む交通難民への救世主としての役割が強く期待されている。またヨーロッパではフランスが2040年までに純粋なディーゼル・ガソリン自動車の販売を禁止する声明を発表し、ボルボは2019年以降に生産するすべての自動車には電気モーターを搭載すると発表している。「ボルボはいまだにクランクシャフトを手で回してエンジンかけるのかよ?」という冗談の一つも受け入れられそうにないほど、ガソリンとオイルを燃やし尽くすことに余念がない我々レーシングカートファンには肩身が狭い世の中が訪れようとしていることは間違いないだろう。
…本題が何かわからなくなってきたが、つまりは先日ドイツで開催された国際カート展示会2018でEVカートが結構あった、という話。もともと屋内レンタルカート場などで需要があったのでEVレンタルカートは各ブランドから販売されているのだが、その波がレーシングカートにまで押し寄せてきた。まだバッテリーやシステムを搭載するとカート単体での重量が130kgほどになることからレーシングカートとしては魅力半減とはなっているが、いずれ進化しこれが主流になる未来は容易に想像できる。エンジン死すともカートは死なず。レーシングカート進化の可能性の一つを覗いてみよう。