ついに2026年9月に発売されたGR KART。あのトヨタ自動車が自社工場で製造し、フルコンプリートで税込38.5万円という脅威の低価格で市場に投入されたこの入門向けレーシングカートは、一体どのような実力を持つのでしょうか?
Paddock Gateでは話題のGR KARTを早速購入!大分県宇佐市のソニックパーク安心院に届けられたまっさらな新車を、組み立てから走行インプレッション、走り方のコツや空気圧セッティングまで徹底解剖しました。元全日本カート選手権ドライバーであり、現役カーターである筆者の目にGR KARTはどう映ったのか?2回に分けてお送りします。
※GR KARTは一般ユーザーへのデリバリーが11月1日以降となっています。この記事ではソニックパーク安心院から車両をお借りして撮影を行いました。
GR KARTの組み立て
ユーザーはあまり見ることがないかもしれないので、組み立て工程からピックアップします。

一般的なレーシングカートの新車の場合、カートフレームはある程度しか組み立てられていない状態でカートショップに届けられます。これは自分の体格にあったシートの取り付けや、出たいレースに合わせてエンジンなどを選ぶためです。一方GR KARTはほとんど完成された状態でサーキットに届けられました。4stエンジン搭載でありながら「立て保管対応」という特徴を活かし、カゴ台車に立てて運搬される様はかなり特徴的。台車への固定方法もかなりシンプルで驚きました。

やることと言ったらカウルとタイヤ、ミラーの取付のみ。タイヤすら既にホイールに組み込まれ、しっかり空気まで入っています。前後左右のカウルはそれぞれ4本のボルトで取り付けられており、フロントカウルのみゴムブッシュが挟まる関係で少しだけ長いボルトが使用するようです。ゼッケンパネルはフロントカウルに2本のボルト、そしてフレームに2つのプラスチックリベットで固定されます。
レーシングカートでいう「金属バンパー」がフレームと一体型というのが、レーシングカートユーザー的にはかなり不安なポイント。クラッシュしたときにプラスチックのカウルだけで衝撃を受け止めてくれるのか、あるいはバンパー取り付けステーごと曲がって板金作業が必要になるのか…。この作りはコストダウンに繋がっているのだろうとは思いますが、一方で「レースマシン」というよりも「乗用車」らしい雰囲気を感じます。

GR KARTに使用されているボルトは六角頭で言えば
- 8mm
- 10mm
- 12mm
- 14mm
- 17mm
なのがとっても国産車。レーシングカートの場合は12mmと14mmの代わりに13mmを使うので、普段カート用に揃えている工具箱だと持ち合わせに不安が有ります。特にホイールナットが12mmでかつハブボルトが長いため、12mmのディープソケットが必須なのは少し困り所。そんなの普段絶対使わないので…。整備性はあまり良くなさそうで、スパナとTレンチよりも、ラチェットとソケットがあったほうが良さそう。本当に乗用車みたいです。ネジを締めた感触はどれもカチッとしており、ネジ穴がズレて入らないところもありません。期待以上の質の高さを感じます。
アクセルもブレーキも調整済みで、各部のボルトのトルクチェックも行いましたが、全て正常に組み立てられていました。本当にやることがないです。

オプションのステッカーはパーツ点数が多いので、これを貼るのに一番時間がかかりました。ミラーはGR KARTらしい特徴なので取り付けましたが、普段乗っているカートに付いていない部品なので少し見慣れないですね。

試しにタイヤを外してみましたが、タイヤが柔らかく、エアボリューム多めホイール形状と相まって、交換はとても簡単でした。GR KART専用のSHINKOタイヤはショルダー部分が非常に薄く、なんだか軽い感じがします。


GB221エンジンのエンジンオイルはどうやって入れるのかな~なんて思いながら見ていたのですが、最初から入っていました。さすがキャッチタンク搭載で立てかけられるだけあります。つまりあとはガソリンを入れれば走り出せるということ。レーシングカートと比べて圧倒的に少ない組立工程には驚かされます。
ポジション調整
GR KARTで特徴的なのはポジション調整の容易さです。シート位置は2個所から選択でき、ハンドルのテレスコピックは3段階調整。ハンドルのチルトとペダルのスライドはノブを引くだけでネジ一本回すこと無く動かせます。ドライバーの体格にあったシートサイズ選択から行う必要があるレーシングカートとは異なり、幅広い体格の人へポジションを簡単に調整できます。
メーカーによればGR KARTの対応身長は135cm~185cm。調べたところによると小学校4年生の平均身長がおおよそ135cmらしいです。ただし135cmに対応させるためにはシートを固定しているボルト4本を外し、シートを前方に移動させる必要があります。



座ってみるとポジション調整は超簡単。すぐに好みのハンドルとペダルの位置に設定できました。タイロッドを避けるためのカーボンカバーが足元にあるためか、座ってみると足の位置が少し高くて違和感があります。ジュニアペダルキットを付けているような感覚です。
シート位置がかなり左に寄っているのは気になります。GR KARTはレーシングカートよりも一回り小さいので、横幅の広いエンジンにかなり場所を取られているようです。シートサイズは大柄ですが、本当に大柄な人が乗れるかどうかは若干微妙なサイズ感にも思います。一方で小柄な人は詰め物をしたほうが良さそうです。
走行インプレッション等を行った記事後半はこちら↓










