- 2018-12-19
- Devise
- 全日本カート選手権, 茂原ツインサーキット, MASUDA RACING PROJECT, OK, FA-KART RACING TEAM, AMV, ホイール
特に夏場などでゴムが多く乗り、重くなった路面に対処する方法としては、シャーシセットを少し柔らかい方向へ持っていくことが一般的。近年のレーシングカートは、コーナー前半でリアタイヤをインリフトさせることによって曲がる乗り物であるので、路面からタイヤを剥がしてあげることが重要なのだ。ただし、路面からタイヤを剥がそうと、シートステーを緩めたり、リアシャフトを柔らかいものに変更した結果、トラクションが減ってしまうことは多々ある。セッティングにおいて大切なのはバランスだ。もしかすると「ホイール」でちょうどいい塩梅が作れる可能性だってあるだろう。
茂原でAMV MAG WHEEL 9Fがテストされていた
2018全日本カート選手権が開催されていた6月末の茂原ツインサーキットで、以前ドイツで見かけたイタリア製のホイールを発見した。それが、AMV社製のマグネシウムホイール「9F」。
ハブ面に向かって伸びるリムを地面と平行に近い形にすることで、タイヤ内の空気量を減らしたローボリュームデザインとなっているホイールだが、9Fはハブ取り付け面にハブボルト穴とは別に9個の穴が開いている。ハブ面の剛性をあえて下げることで、コーナリング中にアウト側のホイールがわずかにひずみ、重たい路面に対してもマシンの軽さを出すことを目的としているようだ。単純に柔らかいホイールを用いる場合と異なり、リム部分の剛性は確保されている。このためタイヤのグリップを殺すことなく目的の動きを生み出せると考えられる。
茂原大会ではMASUDA SPEED PROJECTとFA-KART RACING TEAMがこのAMVホイールを持ち込んでいたが、テスト不足か、あるいはタイヤや路面へのマッチングが悪かったのか、レース本番に投入されたタイミングは確認できなかった。ただし、高剛性ホイールの定番品であるOTK MXCやMXLに代わる新たな選択しとして活躍する日は来るだろう。